料理こそ、プロジェクトマネージメントを学べる身近なアクテビティ

プロジェクトマネジーメンを一言で表現すると、“deliverableを期限までに顧客に届けることをコントロールする”ということだ。そのプロジェクトマネージメントを日常でそれも毎日学べるとしたら、どう思うだろうか。「そんなこと、毎日仕事でメンバとしてやっているよ」と思うかもしれない。いやそうではなく、“貴方がプロジェクトマネージャ”として且つ“プレイングマネージャ”として学べるとしたら、どうだろうか。それも、日に何度も。

食事こそプロジェクトマネージメント
タイトルを見て、「なんだ、それ」と思ったら貴方にはプロジェクトマネージメントが身についていない。身に付いていたら少なくとも「フフフッ」くらい同意するはずだ。なぜ身についていないか。貴方は食事を食べるシーンだけしかイメージできなかった。それは、担当のエンジニアか顧客の役割しか担ったことがないから、食事の全工程を理解し頭の中で即座にイメージできずエンジニアリングのプロジェクトマネージメントに結び付けられなかったのだ。

プロジェクトマネージメントは、プロジェクトのinitiationの中でdeliverablesの品質や納期を定義する憲章(チャーター)を定義し、planingで実行計画を立て、それを段取りどうりにexecutionし、deliverablesを憲章で定義した納期、品質にリリースできるように制御するコントロール、deliverablesを納めプロジェクトふりかえり、終了するclosingで終結する。

まとめると下表のようになる。

フェーズ	アクティビティ	備考
initiation	deliverablesの定義、品質、納期
planning	実行計画の作成、管理方針
execution	プロジェクトの実施
control	管理方針に基づく制御、測定
closing	deliverablesの納入、ふりかえり

料理のアクテビティはどうだろうか。initiationでは、いつの食事を何をどのくらい食べるか決め、planningで決めた料理の材料の調達と調達の段取りとどうコントロールするかを決め、executionで実際に作り、contorolでは憲章で定義したdeliverablesを定義した品質で予定の時間に納められるかを制御し、closingで料理を届け次の料理のためにふりかえる。

フェーズ	アクティビティ	備考
initiation	何を食べるか、いつの食事、量と質
planning	調達方法、準備の段取り、調理方法
execution	作るよ
control	調理方法どおり？、味見
closing	料理出来たよ、美味しい？

これを合わせて見た方が料理がいかにプロジェクトマネージメントかを理解するために良いかもしれない。

フェーズ	プロジェクトマネジメント	料理	備考
initiation	deliverablesの定義、品質、納期	何を食べるか、いつの食事、量と質
planning	実行計画の作成、管理方針	調達方法、準備の段取り、調理方法
execution	プロジェクトの実施	作るよ
control	管理方針に基づく制御、測定	調理方法どおり？、味見
closing	deliverablesの納入、ふりかえり	料理出来たよ、美味しい？

段取りとアレンジと
プロジェクトと料理でどちらも共通して大事なことは、段取りである。料理になぜレシピがあるのか。料理もエンジニアリグなのだ。材料を決まった順番で処理する。料理も材料を決まった順番に調理する。料理がレシピどおりに作れない人はエンジニアには向かない。さらにプロジェクトは、予見するが不意に計画通りにいかないイベントが発生する。料理も同じだ。レシピには文字で示されることが多いから、実際に作り始めると頭の中で想像したような姿にならないことがあるし、余所見をして焦がしてしまったりするかもしれない。もともとの計画からレシピどおりにいかないかもしれない。外国の料理なら日本で手に入らない調味料が使われている場合、何か別の代替品にアレンジする。プロジェクトだって予定どおりにならないときは、そのときに合わせてアレンジするのだ。

1日3回そしてビジネス要件から経験できる
食事は、まぁ1日3回摂る機会がある。そしてその食事でどんなものを食べたいか顧客側のビジネス要件を整理することも経験できる。家族と同居しているなら、週末の昼に何を食べたいか聞いてみよう。そしてその答えが「何でもいい」や「美味しいもの！」だったら“喜んで”考えよう。家族である顧客の曖昧な要求を整理し、deliverablesにまとめるコンピテンシを伸ばす機会だからだ。家族が居なくても大丈夫だ。仕事場の飲み会の幹事を引き受けよう。仕事場の飲み会なら、もっといい。どうしてか。ビジネスと同じようにキーパーソンを探り出し、事前に情報を引き出したり、ネゴシエーションしたりする機会になるからだ。また、飲み会の感想は、それぞれの出席者が身銭を切って参加するのでプロジェクトの評価より辛辣でオブラートに包まれない分価値がある。