エンジニアが自分の時間を作るなら“流れ化”を習慣化しよう


システムの処理には、リアルタイム処理とバッチ処理があります。システム自体、人の業務を自動機械化したものなので、もともと人が行う業務のサイクルを端的に表しています。リアルタイムはいつでも処理を受け付ける随時処理、バッチ処理は、そのサイクル、日時、週次、月次、四半期、半期、年次など時間を単位に分けられます。

もともと人の業務の処理タイミングをシステムで表現したもの、と述べましたが、エンジニアが自分の仕事をするとき、同じようにリアルタイムで仕事を取り掛かったり、バッチで仕事を片付けた方が良いのでしょうか。

そうではないのではないか、と思います。仕事は常にオンライン処理のように優先順位の高いものからタスク処理をコントロールするようなジョブ管理をした方が良いと思うのです。


“流れ化”とは
“流れ化”とは、トヨタ生産方式の考えの一つです。

“流れ化”は、製品をまとめて作るのではなく、一度に一つずつ製造できるように製造工程を再配置して生産性を向上すること。


を意味します。これは注文を溜めずに、注文が入るたびに生産することです。システムに置き換えれば、必要なときに必要な処理をするわけですからオンライン処理と言うことができます。


ワタシ流ジョブ管理制御
ワタシは仕事の締切日から逆算して予定を立てたりしません。今手持ちの仕事に優先順位をつけて、その順序だけで順次に片付けて行きます。仕事の優先順位は、毎朝一番で見直しします。急ぎの割り込みが飛び込んできますからね。

朝、出社して、前日帰宅した後に飛び込んできたメールから優先順位の高いもの、すこし気にするもの、それ以外とメールにタグを打ち付けます。ほかに前日までにやりのこしている仕事の優先順位の高いもの(=忘れてはいけない仕事)のメモ、−ポストイットに残すことが多い−、と頭の中でマージして、その日に処理する仕事を算段します。それの繰り返し。

日中は、あまりその優先順位を変えることはないですが、急きょ割り込んできた突発的な仕事があっても耐えられるように自分のジョブを管理制御できるように心がけています。

この仕事のやり方は、優先順位の高いもの=次工程のニーズの高いものから仕事として処理していることになります。そして、緊急の仕事が入ってもいつでも(別件で身柄が拘束されていなければ)、流れ化で処理を対応できることを実現しています。


流れ化の良いところ
人は怠惰なので、放っておけば何もしません。期日が迫ってきたら初めて重い腰を上げるものです。まぁ、夏休み症候群ですね。29日頃にならないと宿題を始めない。例のアレです。
仕事も期限のあるものがほとんどですが、その期限に合わせて仕事をしているとこまったことが起こるのです。

一つは同じ期日に仕事が重なる。
二つは、仕事に振り回される。


仕事の依頼元が期日を指定してくるとき、その依頼元は、やっぱり期限が設定されているので依頼元の期日の何日か前までを自分のリードタイムとして確保し、そのリードタイムの前の日にちを期限としてオーダしてきます。これが大体、月次や四半期、年次などに基づいているものです。それが色々な部署からオーダが入れば自然と重なるのも不思議ではありません。だから、忙しい期末や年度末に必須の研修や確認書類の提出が重なるのです。

依頼元の期限に合わせて仕事をしていると、その仕事の主導を依頼元にとられてしまいます。これはキツイ。依頼元に合わせている時点で、裁量の範囲が減るのです。裁量は物事の判断が制限されるには役割もあるので割り切れるものですが、時間について裁量を制限されると他人のペースで自分の仕事をしなければならなくなるのでとても息苦しくなり、精神的に余裕もなくなります。

自分が期日を決めて、自分でやって苦しむならそれはそれでいいのですが、他人が決めた期日で自分が苦しむのはいただけない。


ならば、自分の仕事、ジョブを管理して、依頼元の期日より前に自分で期限を置き、その範囲で仕事をした方が良いに決まっています。そのためには、自分の仕事を期日に合わせて溜めて、期日に合わせて処理するのではなく、都度、仕事の優先順位の高いものから片付けて行く、オンライン処理のような流れ化で片付ける方が何倍も良いです。

自分の仕事をオンライン処理で片付ける習慣は、他人に仕事に掛ける時間を制限されないので、その仕事に求められるクオリティ=アウトプットの品質を確保しやすこともメリットとして持ち合わせています。

もう一つ、自分の決めた期日で仕事をするわけですがら、その仕事の仕掛途中でいくらでもチェックを自分の都合で入れられるのです。つまり、依頼元が何を求めているか途中で確認する場面を時間的に持てるということです。これが期日に合わせて仕事に着手していたら、その期日の締め切りが複数あったらそんな余裕なんて持ちたくても持てません。で、最悪はダメ出しをもらってしまう。
それを回避できるのです。


実は狙いは別にある
この“流れ化”の仕事の仕方は、自分で期日をコントロールできるので、−しかも期日前に終わらすことを目指す−、空きの時間を作ることが意図的にできるのです。この時間を仕事に関係するスキルの自己研鑚にあてることができるようになります。

仕事が10あったら8で終わらせて、残りの2で勉強しなさい、と言うものですが(言いませんか?)、仕事が速くできることとも直結するのですが、その早く仕事をすることを支える一つに自分の仕事の仕方を制御するということも含まれているのではないか、と思うのです。




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