仕事は実験の場

社会人になると、日常の半分くらいは仕事絡みで取られてしまう。だから、仕事がつまらないととってもツライ人生を送ることになってしまうと思うんですね。どんな風なアプローチでもいいけれど、仕事をしていても苦痛にならない、いや、寧ろ楽しむ楽しみ方を自分の中で持っているとパッと目の前が明るくなるし、形の力が抜けるというか、楽になるものなんですけどね。


仕事場でよく言うフレーズがあって、何かそれまで知らなかったことを知ることができたら、「今日は仕事に来てよかったね。」って言うようにしているんです。ワタシが知らなかったら、教えてくれた人に「今日は仕事に来てよかった」と。ワタシが知っていたことなら教えてあげた人に「今日は仕事に来てよかったね。」と。例えば、excelのちょっとした使い方とかあるじゃないですか。excelも機能が沢山あって、必要にならないと調べたりしないからいつも同じような手順でやっているときに、「それ、これで簡単にできるよ。」と教えてもらって「へー」と感心したら言うんです、さっきのフレーズを。実際、そう言うと、「そうだよねぇ、仕事に来てよかったよ。」って言いますよ。それで、そう言ってもらった方も、「良かったね。」って思うんですね。単純なことでも気が楽になれるんです。


新しいことにいつもドキドキする
マネジメントもプロジェクトもレビューも人を育てることも、新しいことがあると、とってもドキドキするんですね。ドキドキっていうか、ワクワクかも。本当になんだよこれ、ってウンザリすることもありますけれどね。そんなときは“受け入れコスト”を多少払って自分の気持ちに受けれられるようしてからやります。“受け入れコスト”は自分の腹に落とすとか、納得させる時間とか、楽しみ方を捻り出すとか、そういった理由作りなのかもしれません。


同じしごとのやり方を続けられるなら、それはそれでタスクがパターン化されているので一つのルーチンワークになるので楽ですね。「あぁ、あれをやるんだ、と。」でも、パターンは変わらなくてもそのパターンの上に乗るもの、入力情報までいつも同じなんていうことはないもので、それは都度変わると言うことだからそのパターンも調整しながらちょっとずつバージョンアップすることになるんです。そう言った、微調整のようなこともあるし、それは日々の工夫、“継続的カイゼン”の触りなのだろうと思っています。その“継続的カイゼン”も続ける意識を持っているからこそ、場合によってはバッサリと違うようなやり方に変えないとダメだと判断するときもあるのだなと思うんですね。そういった場面に自ら立ち会えるとき、とってもドキドキするんです。


流行言葉にもdestiny
ITの世界はドッグイヤーと例えられたように、考え方や手段の更新頻度がとても速くて何をどこまで追いついていけばいいのか困ってしまうくらいで、いちいち全部追ってられないよ、というところが正直なところです。アジャイルからスクラム、リーンからリーンスタートアップ、ビジネスモデルキャンバスと次々と新しい考えや方法論が出てきますが、どれだけ自分に関係あるのだろうか、って。


所詮、普通のエンジニアの端くれなので、自分の視界に入って興味のフラグが立てば喜んで首を突っ込んでしまうんですね。でも、リーダブルコードのようなコード書きとかSQLアンチパターン関係は関心があっても自分の領域ではないから除くんですんけど。


新しいおもちゃだから挑戦も失敗もできる
エンジニアなら、新しいおもちゃが出てきたら、兎に角、関心を示す性があると思うんですね。で、そのおもちゃが楽しめそうなのかどうなのか。新しいおもちゃが出てきたら、匂い、形、重さとかを確認したくなるじゃないですか。で、ツールなら自分のPCに入れてみるとか、方法論なら本を読むとか。で、多くのエンジニアはそこで終わっちゃう。新しいおもちゃをちょっと遊んで、自己満足で終わる。まぁ、その程度のおもちゃなら仕方がないんですが、そうでもないポテンシャルを持っているおもちゃもある。そういうとき、どうするか。


確かに、自分が楽しく遊べればそれはそれでいいけれど、自分の成長の観点で言えばまったく寄与しないんですね。自家消費しただけだから。ポテンシャルを持っているおもちゃのときにどうするかってことです。もう、人の前で笛吹いちゃえってことです。「俺はこうおもったけどどうよ」、とか、「これこれなんだせ、ワイルドだろう?」って。


でも、それどこで言うのかって?


しらっと新しいことを持ち込めれば
それこそ、仕事場に“しらっと”持ち込んでやって使ってみたらいいんだと思うんです。実際、ワタシだって、それまでウォーターフォールシステム開発手法をやっていたプロジェクトにスクラムを持ち込んだり、仕事の仕方の基本指針的なものにトヨタ生産方式の理念ぽいことを埋め込んだり。業務設計では、ビジネスモデルキャンバスやリーンキャンバスを組みこんだり。

随分勝手にやっているように見えますが、まぁ、勝手にやっています。それは、当事者になるように自分に死亡フラグを立てて、そう言った環境を構築した上で、その場のリーダも請け負っちゃうんです。そうしたら、リーダシップを発揮したように見せかけて、仕事に関心があるおもちゃを“しらっと”組み入れちゃう。仕事のキックオフの全体説明の資料にビジネスモデルキャンバスのスライドを入れておいたり。


最初に入れておくことが肝心で、自分で入れておけば勝ったも同然。だって、そういった資料として刷り込めるから。説明しながら慣れさせ、コンテンツで一つひとつ「ここまで質問ありませんか。OKですね。」と同意を奪いながら、そのセッションをクローズしてしまう。2回目、3回目も同じスライドを映せば刷り込み完璧です。


こうやって、“おもちゃ”だったものを本当に使ってみてよかったものか、そうでもなかったかを実践をとおして取捨選択の判断をしていくことがとっても大事なことで、正に仕事場は実験の場なのだと思うんですよ。