エンジニアの自分戦略は自分で立てなければならない


子どもが怪我をしていて分厚い教科書を持ち運ぶには難渋して考えたのが教科書は学校において、勉強するとことだけiPhoneで写真を撮って先日買った

iPadで見ればいいじゃん?パパが(勝手に)買ってきたんだけど『あるんだから使わないと!』って思ってね。」


と言いながらiPhoneで撮った写真をiPadで見るにはどうしたらいいかと相談してきたとき、我が子ながら

「(こいつ頭いいな。)」


て思いながら、「dropboxで共有すれば簡単だよ。」ってやり方を教えてあげたわけです。で、そのあと風呂に入りながら「あー昔2000年版のPMBOKになったとき、1996年版の日本語訳はB5で薄い本だった上に誤植もいっぱいあったなぁ。それが2000年版になってサイズも大きくなって厚さも分厚くなって通勤で読むのに重かったんだよなぁ、おい!」っていうのを思い出して、「あのときiPhoneiPadがあれば楽だったのに。」って。


そう言えば、PMBOKを読もうと思ったのは、エンジニアとしての自分をどう育ているか自分自身がエンジニアとしての自分をどう育成するかという戦略を立てたから、なんですね。今言えば、戦略という言葉を使いますけどちょっとカッコつけすぎな感じはしますが。


そのPMBOKも2000年版の日本語は2003年くらいに出たはずで、受験するときはレビュー版しか出ていなかったハズ。確かそれがPDF版で。それを複合機でA42アップに印刷して折りたたんで背表紙に糊をつけてセルフで製本したもの。作った時期が受験日と割と近くてほとんど使わなかったような気がするなぁ。結局英語版で必死こいて頑張ったような。


自分を育てる戦略は誰も立ててはくれない
ワタシのなりたいエンジニア像は誰も知らないし、あなたのなりたいエンジニア像は誰も知らない。組織では事業計画に沿ってエンジニアが担う事業の必要なコンピテンシを持てるように教育を施すだろうけれど、それがあなたがなりたいエンジニア像であることは“まず”ない。近くても少し外れているものです。


組織は組織がこれから必要な人材を必要として“足りない”と認識するから不足分を補うのであって、基本的には今手持ちのリソースで出来るエンジニアを割り当てるんですね。でも、足らないから補うために施す、と。そこには組織としての都合でしか育成計画は存在しないんですよ。


さらに、インフラ、ミドルウエア、製品ブランド、アプリ基盤、アプリケーション、業種……と、細分化される広い知識の海はあまりにも広すぎて、それを経験するにはあまりにも人生は短くて、自ら興味を持つ頃にはだいぶ時間が経っているものだから……。


直接エンジニアとエンジニアの育成に関与するのはマネージャです。ただ、多くのメンバを抱えるマネージャ自身も自分のキャリアをどう描くのか、どうとらえているのかによってもメンバのなりたいエンジニア像への関心も関与の度合いも変わってくるものです。残念なマネージャに当たれば残念な育成支援しか得られないでしょう。いけてるマネージャに当たってもそのマネージャが忙しかったり、抱えるメンバが多ければひとり一人に割り振れる時間は限られても仕方がないのです。


結局、エンジニアがなりたいエンジニア像を自分で作ることが必要で、それは自分自身の育成の全体的な方針を立てることをしなければならないということです。そして、その方針としての戦術を立てたあと、一歩を踏み出すための具体的な行動計画、つまり戦術を立て実行する必要があるのです。


エンジニアの戦略と戦術の立て方
それでははエンジニアの戦略と戦術をどう立てたらいいかって話です。仮想で話してもリアリティがないので毎度のことながらワタシの経験をネタに使えば楽なのでそっちで。ワタシの場合、プロジェクトマネージャになろうとしてこんな風に戦略を考え、個別の戦術に落として行動をしたんですワ。

  • アプリケーションエンジニアだったワタシの強みと弱みを知る
  • ダメなスキルがヒドイことに驚愕する
  • 専門家としてのエンジニアとプロジェクトマネージャとキャリアパスがあることを知る
  • 専門家としてのエンジニアに自分がなったときの想像とプロジェクトマネージャになったときのイメージを想像してみる
  • プロジェクトマネージャを選ぶ                 ←←←←← これが戦略
  • 弱みからの逃げ道として選ぶことは先々災難を生むので中途半端はナシと腹を据える
  • プロジェクトマネージャの経験がほとんどないので形式知から取り込む   ←←←←← ここから戦術
  • それを、いちエンジニアとして普段の業務で意識して仕事をして“疑似的な”プロジェクトマネージャとしてシミュレーションする
  • 理想のプロジェクトマネージャのロールモデルを作る
  • ロールモデルは何人かの理想の人の“いいところ”を寄せ集め“その人になりたい”にならないようにする
  • 形式知はframeworkでしかないことを意識する
  • プロジェクトマネージャは、frameworkだけでは成り立たず、how toのツールやテクニックがないと、どうにもならないことを理解する
  • how toを自分のアセットとして、意識してノウハウとして身に着ける
  • SEリーダをするとき、プレイングマネージャを意識して振る舞う
  • プロジェクトマネジメントを実践する
  • 経験知を思い出したように整理する
  • 形式知は都度担当するプロジェクトにすべて適用できないことを理解する
  • 形式知と経験値から担当するプロジェクトに何を適用するのかしないのかテラーリングが必要なことを知る
  • プロジェクトに合わせたテラーリングをする勘所を学ぶ


この後はマネージャに必要なスキルを見繕ってまたいろいろと形式知に手を出すわけですがそれは同じようなパタンでやるわけです。で、マネージャになればなったで現場で手を動かすことがなくなるのでこれまで習得したノウハウが時代遅れになるとか、感が鈍くなるとか、不安になるのでそれをどう解消しようかなんて考えて、アレコレするんですよ。


結局、人は仕事をするうえで、自分で考えて選択して行動しないとダメね、ってことですね。