仕事はpull型でやらないと思考しなくなってしまう


いるじゃないですか、プロジェクトで一緒に仕事をしているだけど、こう、ずっと受け身で仕事を振られるのを待っている人って。なんで、そんなことを思ったか、と言うと、プロジェクトっていつも一定の作業量ではなくて多少程度はあるけれど、エアポケットの様な谷間が空いたり山脈が続いたりするですね。エアポケット前なんかは仕事が小康状態になるわけですから、それはもう、束の間の凪の状態が生まれるわけです。で、あるきっかけ、大体は、マイルストーンが近づいてきそうになるとリーダ達が早くはじめろと騒ぎ始ることだったりするんですが、そうした状況なると、受け身の人達は途端にビックリするわけです。それまで凪でのんびりしていましたから。変なたとえだけど、急に酸素がなくなった金魚みたいにパクパクしちゃうんです。でも、急に酸素がなくなるわけじゃないだけど。


受け身で仕事をしている人は
受け身で仕事をしているということは、誰か、通常はSEリーダでしょうけれど、タスクが自分の意図とは違うタイミングで飛び込んでくることになるんですね。それはそうです。だって、タスクを切り出した方がそのタスクの存在も、納期も、要求される品質も知っていて、且つ、そのタスクをpushするタイミングの主導権持っているんですから。


ということは、どういうことが起きるかと言うと、受け身で仕事をしている限り、自分で仕事の“需給コントロールができない”ということになるんです。オーダは、タスクをpushする側が情報を握っているんですからね、受け手は一方的に口に突っ込まれるだけです。


それはタスクが突然飛び込んでくるし、納期は近いし、リードタイムは必要だし、三重苦もいいところです。その上、ミスをすれば再発防止を求められてその対策を間違えると自分で自分の首を絞めることになるのです。そこにはないですよ。自分で仕事の仕様決めに関与するとかスケジュールを調整しようとするとか、仕事に対してどうしよう、こうしようと考えることから遠ざかってしまうんです。アーメン。


pull型で仕事をしてみよう
pull型で仕事をするということはどういうことかと言うと、自分の仕事をコントロールする事始めをするということです。何も、フリーハンドで、好き勝手に仕事をするということではありません。プロジェクトとしてチームとして仕事をしているなら、チームプレイしないとコトが進まないですからね。チームでやるコト、個人で頑張るコト。それぞれあります。


受け身で仕事をするということは、こちらの余裕の有無に関係なく仕事が舞い込んでくるのですからそこを調整しようにも、出す側は「これでお願い!」って拝み倒してでも押し込んできますよね。だって、納期があるんだもん。


そこで問題は何か?と考えるのです。仕事はやるんです。仕事だもの。でも、仕掛かり中の仕事があるときはもってのほかだし、他の仕事が詰まっているときは「ちょっと待ってほしいよ。」と思うのも当然です。でも、受け身だと余地がない。そう、余地があれば考えることも対応することもできるわけです。


pull型で仕事をするということは、自分の余地を確保するということです。でも、それは“楽をするため”の余地じゃないんです。依頼側の仕事を納期に確実に終わらすためなんです。できれば、期待に応えたい。チームプレイのものなら。なら、出来る環境を作るのも、それを手に入れることを工夫するのもやってみないと。


pull型で仕事はじめることは自分の仕事をマネジメントするということ
pull型で仕事をはじめるということは余地を作ることですが、余地を作りながらどうするか。それは、こっちからタスクを取りに行くんです。仕掛かり中の仕事が終わりそうなときに、次のタスクの探りを入れに行く。何があるか、は、全体のWBSやスケジュールを見ると想像がつくものです。システム開発方法を理解していれば、後続のプロセスを察することもできます。自分から仕事の出し側に接触して、「次何やるんだっけ?」とか「これ次やるんですよね?どうする?」とか作業のスペックを考えることができるわけです。


え?「なんでそんなことするの?」って思うかもしれないけれど、それは、そのタスクを自分から取りに行くなら、タスクを受ける前に作業の規模が把握できますよね。いや、したくなるでしょ?何をどれくらいの時間を掛けてやろうか、って。そうしたら、何時間、何日必要だなーって思うじゃないですか。そうしたら「来週からはじめたら3日は必要だよねー。」とか、「2週間は必要だよね。」とか思ったりするじゃないですか。そう、作業期間、それの終わりの納期を調整できるんですよ。だって、まだ、出し側がタスクの仕様を決めていないんですから。


pull型で仕事をするということは、自分の余地を作ったり、自分から仕事を取りに行ってスペックの決定に関与したり、スケジュールを調整できたりするんです。これがメリット。そして、タスクの需給調整ができるようになると、計画的に外部セミナーとか、休みを挟み込むことができるようになるんです。だって、スケジュールに関与できるようになるんですから。