新しいリーダがやってきたらやっておくことは


仕事は大変だよね。何が大変かと言えば人付き合いですよ。人付き合いの何が大変か?と言えば、一緒に働く人との付き合い方だと思うんです。学校と違って数年ごとに学校が変わるわけじゃないので強制的にシャッフルすることがほぼない組織だってあるものです。その点、本籍の属する組織はずっと何年も同じであってもプロジェクトは有限期間のチームですからね。短ければ数か月、長ければそりゃ何年も続くプロジェクトもありますけれどずっといるとコストが見合わなくなるので定期的にローテーションが入ることになるので。


プロジェクトの中でもメンバが変わることがよくあります。極端な例だとワタシのとあるプロジェクトでも初期メンバを全員入れ替えたこともあるわけで。それはあまりにも極端だけれど、とても安定したプロジェクトを運営していても、工程の遷移により必要なエンジニアのスキルが変わるのでそれ自体はとても健全なメンバの増減です。あとあるのは、もともとメンバのプロジェクトへの参画が特定期間でアサイメントされていた、と言うケースでしょうか。


新しいリーダがやってきた!ということは……
と言うわけで、新しいリーダがやってきたわけです。丁度、年度とかが人の入れ替えが集中する時期ですよね。これまでのリーダとメンバの関係が新しいリーダとメンバの関係になるので、所謂、継続したリーダとメンバの間で醸成されてきた意思疎通、コミュニケーションにかかるコストが一旦リセットされて、一から関係を組み上げなおさないといけなくなります。それは、醸成されることで暗黙で意思疎通できたことがパージされるということでもあり、高いコンテキストの中で意思疎通出来ていていた関係の中で省略されていたことを一から明示的に伝えないといけないということを意味しているのですね。


というわけで、新しいリーダはチームにデビューしないといけないし、メンバはリーダがどんな性癖、いや、性格の持ち主かを探り合ワなければならないわけです。ファイッ!て感じですね。


脱線すると、アジャイルスクラムで「チームのメンバを変えるなよ。」と言っているのは、メンバが入れ替わることはコミュニケーションコストを不用意に増やすことに繋がるんだよ、と言っているのですね。


危険がいっぱいなリーダ
その新しいリーダも以前より優秀なリーダが来ることも「稀に」ありますけど、そうでないときもあります。そのそうでない、の事象も、さまざまな危ないがあるんですよね。


決めない
コレが一番困ると思いますね。仮置き、とつけてもいいから決めて。そうしないと作業のゴールが設定できないんだから!!設計一つを取るにしても、あっちに行くのか、こっちに行くのかを決めないと軸が定まらないので。検証しようにもどんな検証結果だったら期待する結果としてよいかという決め事自体が決められない。


それに決めないということは、中途半端にしか作業をしないということでもあるので作業が「終わらない」と言うことでもあるのです。何と言うことでしょう。そう、中途半端な作業を積み重ねれば後はどうなるか想像つきますよね。コワイコワイ。


共有しない
メンバから情報は吸収するけれど、それっきりで暫くしてからこっちから聞いたらやっと結果を教えてくれるようなケースとか結果は教えてくれるけどどうしてそうなったかを教えてくれないケース。特に、他チームと絡むようなことのテーマの場合に「どうしてそうなった?」のどうしてがそのあとの設計とか作業の前提とかにジワリと影響を与えたりするのでメンバとしては知りたいんですね。あー、ワンチームで動けているチームの場合ですね。端機能工のメンバの寄せ集めの場合は、自分のタスクだけ消化する気持ちしかないでしょうから関心を持たないかもしれませんが。


あと、そうした経緯を口頭でしか共有しないのも危険ですね。だって、そうしたことに限って、あとあとになって「なんでこんな設計になっているんだ?」とか揉めるんだもの。そして、関係者が記憶で話すから始末が悪い。仮にエビデンスが残っていたとしても相手側が持っていたりすると相手に良いように残っているので分が悪くなってしまう。やっぱり経緯は自分たち側で残しておかないと。


判断基準を教えてくれない
同じチームで作業をするわけで。でも、リーダにより作業のcriteria、どういう状態になったら「作業完了!」としていいのか、作業の基準、作業品質に対する考え方が新しいリーダとして持っているならそれを共有してくれないとどこまでやればいいのかメンバは判断付かないわけで、そうするとそれまでのリーダとは一致していた完了基準が次第にバラバラになっちゃうんです。


メンバが自主的に能動的に動けるのなら「同じでいいよね。」と新しいリーダに詰めればいいんだけど。


危ないか危なくないか初日に判別セヨ
チームのメンバは、あとあとの作業に響くので、早期に、できれば1-2日の間にどういう性格なのか、価値判断するかを見定めなければなりません。それをしないのは後で場当たり的に対応することを意味しているので危険ですから。チームのメンバから自ら働きかけて、場合によっては刷り込みをするんだ、ということをしないといけないのかもしれません。


何れにしてもプロジェクトなら有限の期間の仕事ですけど、しなくていい気苦労も、振り回されることも必要がないならやらなくていいんですから。