システムエンジニアのお仕事リテラシー


システムエンジニアのお仕事に関して、特に技術のことと仕事のライフハックに関する情報は溢れているのに仕事の仕方に対する考え方は少ないような気がします。それをお仕事リテラシーとしてまとめてみました。


「闇雲」な仕事のムダ
deliverableをはっきりさせてから仕事の着手をしているならその仕事はムダにはならならないです。deliverableとは契約に基づく成果物です。deliverableの他にdeliverableへの中間成果物もそれが具体的な仕様として定義されているなら直接的なdeliverableではないので完成責任はないけれど内部の必要な生産物としていいものです。


deliverableの前の検証作業も何を検証するのか期待する検証目的を決めてから着手するのであればムダにはなりません。検証の結果、期待する検証結果が得られなくてもそれはムダではないのです。その検証方法では期待する結果を得られないという実績が得られたからです。


仕事のdeliverableつまり品質を決めないで作業に着手する、検証で得たい結果を想定せずに闇雲に手を付けることは時間もリソースもムダに使うことになり、ムダを生むのです。


「書いてあった」は思考停止
仕事で想定していたとおりにいかないときに試行錯誤することがあればそれは学ぶ機会と捉えましょう。試行錯誤するということはやろうとしていた仕事のどこかに準備や理解が足らない箇所があるということの逆説的な現れです。試行錯誤をするということは、試行錯誤により知らないことを知ることが出来るのです。試行錯誤を経て知らないことを理解すると言う経験をすることに価値が生まれます。その理解した価値は、自分の言葉で表現出来て初めて自分の技能に昇華するのです。


インターネットや書籍に書かれていることは、それを書いた人が試行錯誤して得た経験がその人の言葉に変換されて表現されています。その人の経験が書かれた内容をトレースすることは誰でも出来るけれど、書いた人の試行錯誤はインターネットや書籍では書かれないのでトレース出来ません。その人が書いた情報だけで物事を知ったつもりになることは、結局、思考停止と同じことなのです。○○に書いてあった、△△が言っていたから、は何も自分の身にはつきません。


「中途半端」はやるだけもったいない
システムエンジニアの技術の領域は広いです。技術のトレンドの流れも速いし、仕事に依り担当する技術も少しずつ変わっていくものです。変遷する技術と担当は時代と自分の関心で変わっていくけれど、それでもシステムエンジニアとして専門領域は持っていないと専門家としての役割を果たせないし、技術の拠り所にならず自分の自信になりません。そのため、専門領域は深掘りするのは勿論だけど、専門でない関心を持つ領域があるなら概念だけは理解しておくことが必要です。概念だけを押さえておけば、専門とする領域の横展開で意外とどうにでもなるものですし、何より考え方がぶれたりしないものです。


専門とする技術を深堀するのは無論ですが、関心を持って接する技術に対しても中途半端な吸収で止めてしまうのは自分の頭の中で理解まで至っていないので結果的に自分の言葉で表現説明することが出来ないので中途半端な状態になってしまいます。自分の言葉で表現できないなら理解していないのと同じで、関与するために時間を割く分が時間が無駄になってしまいます。


「掛けた時間」が成果ではない
仕事に掛ける時間、実際に掛けた時間を把握しておきましょう。労働時間の提供が役務でなければ労務時間は成果ではないのですから。deliverableを決めて作業をするなら、時間を掛ける掛けないに関わらず出来上がったものが成果であり、その仕事で得たかったdeliverableだけが評価の対象なのでです。


意外とエンジニアが自分でする仕事のパフォーマンスを客観的に把握していることは少ないものです。誰に言う必要もないですが、作業の計画で割り当てられる時間が妥当かどうかはやってみなければわかりませんがすべてがそれでは計画が成り立ちませんから、それっぽい予測が必要です。計画を占うのではなく少しでも現実的なものにするためには、過去の似たような作業の実績が必要で、それを用いて計画を立てるということは類推見積もりのスキルが必要であるとことの証左でもあります。


ですから、deliverableを得るための計画に対するその作業をする本人としての見積もりできることは必要だし、計画どおりに進捗していないのであれば何か問題があると都度相談をいれないと完了予定日には時間だけ掛けたけれど何も出来ていないという報告だけしかできません。当の本人は、deliverableがなくても時間を掛けたのでやった気分になれるけれど、直接的間接的に関わらずプロジェクトチーム全員はdeliverableが無いので困ってしまいます。