システムエンジニアに必要なスキルバランスが 技術スキル<基礎スキル に変わるとき

何においてでも、ここ一番っていうところがあって、そのチャンスが多いのはやっぱり多くの時間を割いている仕事の場、なのだと思うんですね。じゃあ、その、システムエンジニアとしての腕を見せるためには何が必要かと言えば、やっぱりシステムエンジニアとしての技量、スキルがなければどうにも発揮できることがないわけで。


システムエンジニアのスキルは2つの柱で支える
システムエンジニアに必要なスキルを並べると、基礎スキルと技術スキルの2つの柱でエンジニアを支えるのです。

システムエンジニアのスキル

 +基礎スキル …… マインドセット、意思伝達、思考力

 +技術スキル

   +方法論・知識体系 …… 要件分析・定義、モデリング、方式設計、作業標準、プロジェクト管理手法
                    システム開発手法、テスト技法

   +技術適用 …… 方法論、言語、製品技術の適用力

基礎スキルは、挑戦、気づきなどのマインドセット、文章作成、会話、傾聴などの意思伝達、課題設定、問題解決などの思考力が含まれます。技術スキルは、二つに分けられます。一つが方法論など知識体系を習得し、それが適用できること。もう一つが、技術適用スキルそのものです。方法論は、要件分析・定義、モデリング、方式設計、作業標準、プロジェクト管理手法、システム開発手法、テスト技法などが含まれます。技術スキルは、もうそのままで方法論、言語、製品技術を課題解決のために使いこなせる技量を指します。


一長一短では習得できないなら
これらのスキルは、夫々のエンジニア自身の育成計画応じて習得して、担うロールレベルにの活用出来ればいいいわけですが、必要な時に必要なスキルを持っているようになれればいいのですが。ただ、どのスキルエリアも一度になりたいレベルに上がることはリソース的に難しいですから、一つひとつを日々積み上げていく他はないのが現実であったりするのですよね。


とは言え、日々やっていかないとどうにもならないので、スキルの習得は変えずに続けて行くほかないわけで。それって大変だと思うんです。だって、続けて自分のスキルを育てるとに対して誰も褒めてくれないですから。でも、誰かに褒めてもらうことを期待するのではなく、ちょっとずつ自分を涵養する中で幅広いスキルエリアの中からちょっとずつ違うことをやっていくことにシステムエンジニアとしての楽しみを見つけることがよいと思うし、実際、ワタシの経験からも「そうなんですよ。」と思うんです。


システムエンジニアに必要なスキルバランスが技術スキル<基礎スキルに変わるとき
この基礎スキルと技術スキルの二つがあるときに蔑にされるのが基礎スキルであることは、その基礎スキルがSIをするときの顧客の課題解決の結果であるプログラムに直接的に結びついているように認識されないから、なのでしょうか。もしかしたら、技術スキルを学ぶことの方がエンジニアとして直接的にコーディングしてプログラムを動かして結果を実感できる即物的な要求を充足してくれるから、なのかもしれません。


ただ、あまりにも技術へのウエイトが偏り過ぎると、システムエンジニアとして一担当の役割の中であればまだ問題が露呈しないのですが、リーダになって初めて基礎スキルがロールに対して不足していると仕事が思うように進められなくて、四苦八苦している光景に遭遇することになると。


なぜ、基礎スキルを持ち上げているのかと言えば、いくら技術スキルが長けていても、顧客の課題を傾聴したり、課題から原因を分析したり、そうしたプロセスを顧客と共有しながらコンセンサスを作り上げていくフェーズを担うにはそれがないと業務を遂行できないから、です。ロールのレベルはあるにしても、自分がメンバを抱える時点で、今まで口を開けておけばやっていけた仕事も、これからは自分がメンバの口にタスクをつっこまないといけない役回りに変るときになってからはじめても遅いから、と思っているからです。まぁ、普通に仕事をやって入れば経験ベースだとしてもある程度のスキルは得られているはずなのですが、現実には基礎スキルがあまりにも低レベルなシステムエンジニアの存在を否定できないという事実があるからなのです。


あるタイミングでシステムエンジニアに必要なスキルバランスが変わる潮目があります。その時になって困らないように。