一番勉強しないのはプロジェクトマネージャ?


昨晩、湯船に浸かりつつMUJIスマホケースに入れた古いiPhoneで「奏(かなで)」なんぞ訊きながら、

システムエンジニアには勉強会ってたくさんあるけどプロジェクトマネージャ向けのってあるのかなぁ……ブクブク……」


と、思いついて検索してみたら絶望した。たった2ページだけ検索結果を見たけど急速潜航しそうになりそうなくらいずるっときた。なんだ、検索結果の1番目に表示されるのが「有能」とか冠が付いちゃう記事って。それもかなり古そう。


巷では、数年前からある種の勉強会ブームで、そこから所謂有名になる人も排出したり、そうした人たちが翻訳や執筆、又は、独立といったマネタイズの方に、ある意味健全に発展していっているのを見るといいことだと思うんですよね。リスクを取った先行者利益のようなものだから。


じゃあ、プロジェクトマネージャは?
プロジェクトマネージャは勉強しないのだろうか。いや、勉強会をしないのだろうか。それとも単に群れることを嫌うのかな。


一つの見方として、パイの大きさとう視点で見てみると母数の規模が桁違いだということには安易に思考が辿りつく。単純な話だもの。1つのプロジェクトにプロジェクトマネージャとシステムエンジニア「それぞれ何人いるの?」ってことですね。簡単ですね。PM:SE=1:Nだもの。大規模になればなるほど、Nが大きくなるし。


プロジェクトマネージャもシステムエンジニアもどちらの仕事が大変とか、どうとかはいいんですよ。どっちも同じ目標に向かって進んでいるのは明らかだけど、役割が違うから求められる技術が違う。システムエンジニアは現実に使えるシステムを実装しなければならないから、より定量的なアウトプットに直結するものを求めるし、そうしたことに関する問題を抱えているのだろうと想像するのですね。だから、実装周りの勉強会が多くて、システムエンジニアとしてプロジェクトを遂行するためのスキルや基礎スキルのコミュニケーション力のような勉強会はあまり見かけないのではないかかな?と。


まぁ、それにシステムエンジニアを取り巻く技術の進展は早いものですから。実際、適用に至るわけではないけれど技術用語がバズれば顧客だって知るところとなれば「それおいしいの?」なんて振られるから新しい技術をある程度追いかけないといけないし、でも、リアルの実装は「いつ時の時代のだ?」なんてことだって普通にあるし。今旬なのはswiftですか。


その点、プロジェクトマネージャを取り巻く技術はのんびりしたものだ。アジャイル界隈だってもう10年くらい経っているものだしねぇ。それがやっとここ数年でプチメジャー化したというか、脚光を浴びたというか。そのくらいです。あとは何も変わっていない。


じゃあ、プロジェクトマネージャは勉強しなくていいのか?って。


そんなのありえないですよね。言い方が当たっているかどうかはわからないし、対極にするつもりはないけれど、具体的な技術を追うシステムエンジニアは具体的な姿がある分定量的に学ぶことを設定できるから、−−例えばswiftを覚えるとか−−、学習の目標設定がしやすいけれど、プロジェクトマネージャの学ぶ領域は、その定量的に目標設定を出来る分量がすくない、−−PMOBKを学ぶとかシステム開発手法を学ぶとか−−、で、定性的なスキル領域の基礎スキル、−−例えば、コミュニケーション力とか交渉スキルとか−−、そうした基礎スキルのエリアはゴールが具体的に設定しにくいから定性的にしか目標にならないし。


本当は、逆なんですよね。定性的にしか目標を設定できないから、いや、レベル分けをしてレベルに応じたスキルを持つ人物像を定義することもできるけれど、プログラミングと違って評価できないんですよね。プログラムのようになって第三者の前に提示することができないんだからこそ、いくらでも目標を高く積めるのだと。曖昧にすることもできるし、際限なく目標をレべリングをすることもできる。


学ぶロードマップがない
さらに、プロジェクトマネージャが学びの環境に置かれたとき戸惑うのは、PMBOKのようなフレームワークという器はあるけれど、中身は自分で用意しないといけないというギャップなんですよね。


学びのロードマップも行く先にはプロジェクトマネージャのプロフェッショナルが置かれたとしても、先のようにフレームワークはあるけれど中身は自分で積み上げていかないといけないから、結局、何もないようなものだし。それって、学びのロードマップがないのと一緒ですよね。


そう思うと、プロジェクトマネージャは実は悩み多き職種なのではないか、と思うわけです。定性的な技術領域が多いい分だけ、本当は、悩みを抱えていて、相談したいのではないか、と。でも、プロジェクトマネージャの悩みを相談する先のパイが小さい、と。


さて、そうした相談先の需要はあるのだろうか。