判断しないプロジェクトマネージャの最大の問題点


組織には様々な性格をもった人がいます。一人ひとり違う生き物だから当然と言えば当然だけど、不思議なことに採用の段階になると少しずつは違うけれどその組織の家風と同じ匂いをもっている人を採用するから緩い括りではあるけれど同じような人が集まりやすいという不可思議なことになったりします。


それが良いのか悪いのかは意見が発散しそうだけれど、ワタシは一定数のちょっと違う人がいた方が仕事をするうえでは面白いと思うので採用にかかわるときは、同質の匂いを感じる人よりは一緒に働いたら楽しそうかどうかで見てしまいますね。そういったことを思いながら採用にかかわったエンジニアの顔を思い浮かべるとその人なりにスクスクと試行錯誤しながら育っているようなので、これからもがんばってほしいなぁと思うものです。


そういった人たちを含め、いろいろな人と一緒に仕事をするわけですが、組織の匂いの範疇の人なのかどうかわからないけれど、プロジェクトマネージャの中には「判断しない」プロジェクトマネージャがときどきいて、プロジェクトチームを脅かすんです。いや、まったく判断しないならプロジェクトマネージャなどになれやしないのですから、判断はしているのですが致命的な特徴が一つあるんです。それは、

「スピード感をもって判断していない。」


ことです。プロジェクトは大小さまざまな課題の判断の連続であり、そうした課題やタスクの積み上げることがdeliverableにたどり着く唯一の方法なのに、判断しないプロジェクトマネージャは「そのタイミングを逃したら意味ないでしょー!!」というようなことを平気でやるから目も当てられないんです。


当の本人はそれでいいと思ったタイミングで判断しているのでしょうけど、スピード感なんて個人差があるか仕方がないんだけど、モノゴトにはタイミングってものがあるのも事実ですから。こうした判断しないプロジェクトマネージャはスピード感を持っていないから判断のタイミングを逃してしまい、その結果、スピードが遅かった判断のフォロー作業を自分から「作ってしまう。」んです。


そうした判断のスピードが遅いプロジェクトマネージャは、ロールから情報が集まるハブになっているのにもかかわらず、見たいり、聴いたりすることから次のアクティビティを行動に移すことへ何等か戸惑いがあるのではないかなんて勘ぐってしまいます。


例えば、プロジェクトマネージャは失敗してはいけないとか、カッコよくやりたいとか。そうした願望があるのではないかな、と。ワタシなんてすっかり諦めていますよ。プロジェクトマネージャをスマートにやろうなんて。かっこいいプロジェクトマネージャを演じようなんて初めてのプロジェクトで速攻で捨てました。無理、というかムダ。そんなことにパワーを使うより、プロジェクトを遅滞なく思うがままに進捗する方にパワーを使おう、と。だから、メンバに全体のスケジュールの情報を頻度高く渡して共有して私たちチームの今の居場所を共有したり、これから向かうゴールを何度も対面で伝えたりするんです。


プロジェクトマネージャはわからないことはわからないとポジショニングをした方がいいと思っています。特に、技術については今のITプロジェクトでは広く深くなっているのでそれを網羅的に把握するのは大変なことです。それなら、技術は概念だけを押さえて置くまでにしてメンバに任せ、開発プロセスをしっかり押さえて進捗させる方がいいです。


そうした条件下では、間違いがあることが前提としてコトを考えるといいんです。見て、聞いて、アクションしたいけど間違えそうならちょっとだけ試す、というようにしたらいいんです。それなら結果的に間違えていても被害が少ないんですから。それも間違いを想定してやるのでインパクトも小さい。


そうしたやり方を前提とするなら、見て、聞いて、素早く試す判断する、ことが出来るようになると思うんですがどうでしょうか。思考の判断はその人の大きく依存するので難しいのかなぁ。