対策を仮決めして妄想することに意味がある

リスクマネジメント、なんかかっこいい響きですよね。だからこの言葉を使う人をあまり信用していません。なんというか、響きのいい言葉で本質のことを隠蔽しているように感じるから、です。


実際、「リスクがー!」とか「リスク!リスク!」と連呼して、いやそこまでしないか、例えば、提案案件での不確実性、実現性、提案の練度合いの不足とか見積もり精度などリスクマネジメントとしてのお作法からいえば、識別することが最初にすることなのに、それもろくにせず「リスク対策をしろ。」と壊れた再生機のように繰り返す人は信用に値しないです。


リスクと言う言葉を振り回す人より、提案のコンテンツに不整合があるとか、すっぽり考慮が抜けているとか、実現性に怪しい箇所があるゾとか明示的にコメントを付ける人の方が信用に値すると思います。


でも、こうしたキーワードをバズワードのように話す人がときどきいて、まぁ、それがリスクなのか3文字略語なのかはどうでもいいですが、そうした人達は大体見ているということに対しての具体的な「解」を持っていないことが多いです。だから、「じゃあ、例でいいんだけど対策はどうしたらいいか『具体的に』教えて。」と振ると、テンポよくレスポンスが返ってこなかったり、具体的な提案案件なのに一般論しか提示できなかったり。言い方悪いですが、馬脚が、的な感じにしか見えません。


リスクマネジメントは、提案ならその案件に影響するインシデントで且つ起きる可能性のあるものです。それの多くはマイナスの影響を及ぼすけれど、プラスの影響を及ぼすインシデントだってあるのです。理屈上では。


おさらいをするとこんな感じでしたよね。

案件に影響するだろうインシデントを洗いざらい拾う。
インシデントが起きた場合の案件に対する影響範囲を特定する。
起きる確率を想定する。
影響範囲と確率を掛けて、金額に置きなおす。
対策する場合の費用を試算する。
対策のコストが見合うか、対応を決める。


で、提案とかプロジェクト開始時とかなら、基本的に対策しておけ、って思います。天変地異とかはどうしようもないので放置ですが。でも、プロジェクトマネージャにもしものことがあったら、とかは、最初からセカンダリーになるかもよ、ってロールを決めておけばいいし、プロジェクト開始時ならそのメンバに「セカンダリーだから。」と伝えておくだけで「そうなんだ。」と認識はするものです。認識さえしてくれればあとはそういった心持ちを少しでももってくれるだけで「もしも」が起きたときのフェールオーバが楽になります。つまり、リスクを低減していることになるわけです。


対策も、フル装備でしなくてもいいと言う考え方もあります。それが前述の「ひとこと」だったりします。先のプロジェクトマネージャにもしもがあったらのケースだと人材の確保の問題が出てきますしコストの問題も出てきます。大体のケースだとあまりにも過剰な対策になるでしょう。だったら、もっと軽量の対策(と呼べるかどうかはおいて)をしておくことも選択肢の一つだということです。


もちろん、その対策が実行されるときにどういうことが想定されるかは、認識しておかなければなりませんけど。


こうした具体的な対策を行ってくれる人は信用しますけど、毎度まいど曖昧に発現する人はどうか消滅して欲しいものです。