一番やさしい課題管理 −課題一覧の項目は増やし過ぎない−


前回の 一番やさしい課題管理 −完了した課題を記録する− のおさらいは、課題一覧に項目を追加する場合は、一覧としての使い勝手、差し替えるとなったときの運用ルールや変更後の操作手順の増加などを考慮する必要がある、というものでした。


前回では、案が2つありました。

【例10】 案1

項番 概要 起票日 起票者 希望解決日 対応者 課題の状況
1 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 ワタシ 5月2日 飲みに行ったため読書が完了しなかった。(←これは事象の詳細)
5月3日 前半4時間の出来高を計測する。
      3日前半の出来高が予定の1/4の半分の1/8だった。
      出来高は予定の1/4の半分の1/8だったが、精度を得るために後半を計測する。
 5月2日 プロマネ本の読書完了のためクローズ
2 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 カノジョ 5月2日 プロマネ本を選べず予定完了日を超過した。
5月2日 プロマネ本に対する期待を確認し、有識者から書籍選びのアドバイスを得て選択する
      アドバイスをもらうことにした


2つ目はこちら。

【例11】 案2

項番 概要 起票日 起票者 希望解決日 対応者 課題の状況 完了日
1 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 ワタシ 5月2日 飲みに行ったため読書が完了しなかった。(←これは事象の詳細)
5月3日 前半4時間の出来高を計測する。
      3日前半の出来高が予定の1/4の半分の1/8だった。
      出来高は予定の1/4の半分の1/8だったが、精度を得るために後半を計測する。
5月5日
2 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 カノジョ 5月2日 プロマネ本を選べず予定完了日を超過した。
5月2日 プロマネ本に対する期待を確認し、有識者から書籍選びのアドバイスを得て選択する
      アドバイスをもらうことにした
_


使い勝手や視認性からも、案2が妥当でしょう。


ところで、案2の課題一覧は、プロジェクトでよく見る課題一覧より大分項目数が少ないと感じませんか。


普段使っている課題一覧は、下表のように、分類や備考欄があったりします。例えば課題管理の対象となるグループが複数いるのであれば、分類が必要となるのも想定できます。その様な場合は、利用する上で「何を分類するか」「分類の定義」などは利用前に決めておき、課題管理が不要になるまで大筋では一貫性を持てる区分を設定することが必要です。

【例12】

項番 大分類 中分類 小分類 概要 起票日 起票者 希望解決日 対応者 課題の状況 完了日 備考
1 _ _ _ プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 ワタシ 5月2日 飲みに行ったため読書が完了しなかった。
5月3日 前半4時間の出来高を計測する。
      3日前半の出来高が予定の1/4の半分の1/8だった。
      出来高は予定の1/4の半分の1/8だったが、精度を得るために後半を計測する。
5月5日 _
2 _ _ _ プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 カノジョ 5月2日 プロマネ本を選べず予定完了日を超過した。
5月2日 プロマネ本に対する期待を確認し、有識者から書籍選びのアドバイスを得て選択する
      アドバイスをもらうことにした
_ _


ついつい、項目は増やしたくなりますし、増やしてほしいと要望も挙がるかもしれませんが、

  • 追加しようとする項目は「なにに」使うのか明確になっているか
  • 既に登録済みの課題には追加する項目を遡及して設定できるか
  • 今後、追加する課題を含めて常に最新の状態を保持できる運用負荷であるか


など、一旦冷静に考えてみてから追加しても遅くはありません。


良く見る課題一覧にある項目の例では、大分類、中分類、小分類、備考などが見かけることが多いです。大中小の分類は見かける割には、本来の目的(があるかどうかはわかりませんが)どおりに上手に使われていることを見たことがありません。ヒドイ場合には、項目はあるけれど使っていないケースもあります。テンプレートとして使っているのであればそのままでも構いませんが、利用しないことを明示的にするためにもグレーアウトしておくなど意思表示はしておいた方が良いです。

【例12】

項番 大分類 中分類 小分類 概要 起票日 起票者 希望解決日 対応者 課題の状況 完了日 備考
1 _ _ _ プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 ワタシ 5月2日 飲みに行ったため読書が完了しなかった。
5月3日 前半4時間の出来高を計測する。
      3日前半の出来高が予定の1/4の半分の1/8だった。
      出来高は予定の1/4の半分の1/8だったが、精度を得るために後半を計測する。
5月5日 _
2 _ _ _ プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 カノジョ 5月2日 プロマネ本を選べず予定完了日を超過した。
5月2日 プロマネ本に対する期待を確認し、有識者から書籍選びのアドバイスを得て選択する
      アドバイスをもらうことにした
_ _

あと、項目の設定ですが、分類は、大分類から、「工程」「システム名」「サブシステム名」などの定義されたらあまり変更されないものが望ましいです。また、小分類などの詳細な区分はあまり細かく分けすぎると新しい事象が発生したときに分類できない場合に困るので設計書に出てくる機能名やプロジェクト体制のグループ名にするなど細かく分けすぎないことが運用のしやすさの観点からもお勧めです。