システムエンジニアに要求されるロジカルな思考は世の中では特殊なスキルなのかもしれない


世の中には自分より年齢の方が多くいますね。身近なら親とか親戚の叔父さん、叔母さんや、近所の人とか。仕事場に行けば、そこここに年齢が上の人がたくさんいます。自分と同じ組織でなくても取引先のお客さまとか仕事を委託する先の人とか。


最近、IT企業でない(と思われる)ワタシより年齢の上の方と接する機会が度々あって、それで思ったことがあったので若いシステムエンジニアのみなさんの参考になればと。


システムエンジニアのお仕事は、お客さまの要件を「根気強く」聞き出したり、カメレオンのように「変わる仕様」を実装したりするのがお仕事の一部だったりしますよね。


そうしたお仕事は、コンピュータにプログラムやパラメータとして設定する必要があるので、あいまいな表現や会話の中から必要な情報を抽出して要件や仕様としてまとめます。


この、あいまいな状態から書いたプログラムや設定したパラメータどおりにしか動かないコンピュータが理解できる言語や設定値に変換するという、変換するスキルを日々訓練していることになるんですね。たとえば、議事録とか仕様書で決まったことを明示的にこれこれになったとか、前提はこれらでケースはこのパターンで、それ以外はこうして、とか。


仕様を決めるときにも、いろいろなケースを考えて、正常な手続きとして処理するものと異常なケースとして処理を分けることを考えると思うのですが、そのときも考える範囲を1つだけとか限定せずに、一旦はありそうな環境をすべて対象として、その上でバウンダリー、つまり、範囲を前提を置いて線引きして、検討する仕様が闇雲に膨らまないように、かつ、検討範囲の漏れがないようにしていると思います。


こういったスキルを持っているのって「ちょっと特殊なんじゃないか」と思うようになったんですね。出だしで書いたように、ワタシより年齢の高い、特に現役から退いた人たちと比べて。もちろん、システムエンジニア全員がそういった思考ができているかどうかは別として、求められるスキルだと思うのですが。


で、システムエンジニアは持っていると思う特殊なスキルなんですが、たまたまかもしれないけれど、年齢の上の人たちは目の前にある関心のある対象だけでものごとを進めようとするのを見るとその特殊なスキルを持っていないんじゃないのかな、と思えて仕方がないんです。たまたまかもしれませんが。


この状態、目の前にある関心のあるものだけを思考の対象とするのって、もしかしたら、年齢の上の人に限らずIT関連に関係のない「一般の多くの人に当てはまったりしちゃうんじゃないか」だったりするんでしょうか。


さて、ここで1つ疑問に思ったんですが、これってどっちなんでしょうか。

・年齢をある程度とってしまうと目の前の関心のあることが思考の対象となってしまう
・年齢にかかわらず一般の多くの人は目の前の関心のあることが思考の対象となってしまう


いやいや、そんなことはなくて全員できるけど、そう見えているだけなんだよ、なんでしょうか。


で、若い人に何を伝えようとしているのかというと、ワタシが垣間見た世間の年齢の上の人は、ワタシが思うより理路整然とものごとを思考の対象としたり、思考の考慮漏れを考えて行動していないということです。


そういう人たちがたくさんいる可能性が高い、ということです。そして、こうした人たちは目の前の関心のあることについてはそれだけに集中していることもあって、思考の範疇から外れることをいわれると短気な行動をとりやすいです。すぐ感情が行動に表れます。


それを知っているだけで、こうした人たちとなんらかするときに自分がとる行動にバイアスをかけて動くことを考えたほうがいいです。そうしないと変に巻き込まれたりしますから。


ワタシとしては若い人からみたらすでにそっち側の人なのかもしれないけれど、目の前の年齢の上の人たちを見ることでワタシのとる行動がワタシが客観的に見てそうした人たちと同じようにならないようにワタシ自身が気をつけようと思いますがいったいいつまで持つことやら。