意見や質問が出るファシリテーションをするには
とっさの振りで上手に対応できる人とできない人がいますよね。ワタシだって上手にできるときもあるし、うまく返せないときもあります。「そうですねー」とか言っているときはジャスト、今、なう、考えているんですよ。だから急かさないでね。はい、お応えできるように回答の準備ができましたので「それはですねー…」と見えないところで足をバタバタさせているわけです。
これ、仕事の場もよくあると思います。プロジェクトで検討しているときに「考えられるリスクはないのか」とか「手順の漏れがないか」とか。あとですね、研修のときなんですが、研修であるからこそ「理解して」帰って欲しいのです。研修テーマに関するなんらかを習得や気づきを得て欲しいのですよ、講師としては。
でですね、上手く応えられないってどういう状態のときでしょうか。ワタシ自身で考えてみると、
・目の前のことを考えていないとき
・理解できていないとき
・こんな質問をしたらバカに見られる
が挙げられるかな、と。1つ目の何も考えていないは、思考が別のことを考えているかボケーっとしているような状態です。心ここに在らずなんですね。だから、質問を振られてもワタシにとっては不意打ちなんです。準備不足ですけどね。ぶつかるべくしてぶつかっただけです。
2つ目は、テーマが理解できていないから質問することすらできない状態です。だから後で自分で調べればいいやと思ったります。ぜーったい調べたりしませんけど。今ならわからないところで「わからないからもう1回説明して」と言えるほどには厚かましくはなりました。
3つ目は、恥ずかし系ですね。他人の目なんて気にすることないのにね。でも自分に自信がないときはそう思うんですよね。わかるー。今理解しないと後で困るのは自分なんですよね。今理解すればそれ以上の時間を使わないけれど、今理解していないことをうやむやにしてしまって後で見返しても理解できなくてなん度もやり直してやっと理解したり。それって時間を何倍も使ってしまうのでもったいないやり方です。なので、理解をすることの宿題はやってはダメなんですよね。
相手、質問の受け手になって考えると対策も見えてきます。どうするかというと、研修なら冒頭の全体の進行を説明するときに、「質問をこちらからするので心の準備をしてね」と注意を逸らすなよと言い伝えたり、セクションごとに理解てきているかを尋ねたりする構成にしておくんです。
プロジェクトの個別検討の場でも同じようにすることができます。始めるときに、全員に発言してもらうことを宣言したり、今この場で理解するように伝え、理解しているか説明してもらうよ、と意識付けしたり。
これは、先を知らせることで心の準備をしてもらうということなんですね。先がわかっていたら、何か質問をしようとか理解できないことを質問しようと気にしながら聴きますからね。
研修でもプロジェクトの打ち合わせでも出席している人の経験やスキルレベルは様々なのでそのあたりのフォローを入れた方が良いですけどね。「些細なことが見逃すと危なかったりするのでそういったところからはじめよう」とか「理解したテーマで気になったところは」とか呼び水で誘うのです。
こうしたフォローで回答者に進む先を示すことでこころの準備をさせたり、質問すること自体のハードルを下げたりすることが理解してもらえれば、あとは自然と質問も発言も出てきます。こういった場を作るファシリテーションを心がけたいですね。