達成したい目的を全く違う表現に置き換えて相手に伝える技術は子どもと学ぶ

「切り口を変える」「視点を変える」など割と使うと思うんですが。例えば仕事、プロジェクトで仕様を検討していて、それが仮にA案だとして、そのA案に考慮漏れやケース抜けがないかどうか、を探そうとするとき、つい「視点を変えてみても大丈夫なの」とか。


視点を変えるは、モノを見る位置を移動するイメージなのでまだわかりやすのでいいのですが、切り口を変えるとなると途端に分かりづらくなる。イメージは例えば真正面から見て水平に二つに切っていたモノを縦に二つに切ったり斜めに三つに切ったり。


ただ、これらの二つとも対象物があって、それを自分の目線をぐるぐる回して位置を動かせばいいのでとても物理的な認識でなんとかなるのかな、と思うわけです。とは言え、慣れの部分があるのでそうしたことをしなければならない場面かどうか自分で判断できないといつまでたってもできないですが。


それより一つ上のステージというか、次元が別のがあるんですよ。それって何かというと、達成したい目的を全く違う表現に置き換えて相手に伝えるというの、です。


分かりやすいケースをあげると、子どもに理由も言わずに「早くして」「急ぎなさい」とだけ伝えるか、子どもに「どっちが先に到着するか競争しよう」というか。どちらも目的が目の前にあって、そう、ある時刻の電車やバスに乗りたいとかお迎えのバスの時間に間に合わせたい、とか。


これはしみじみと小さなお子さんがいるママさんとお話ししたときに思ったんですが、子どもに通用するやり方は仕事場の大人にも通ずるモノがあるよね、ということ。


理由を言わずにただ早くやってと言われてもねぇ。仕事だからやるんでしょうけど。でも、困っているとか間に合わせたい理由があるならそれを伝えるのは最低限のことだと思うんです。で、じゃあ伝えるよとそのまま伝えてもそれじゃ芸がないというか、その理由次第によっては揉めたりすることだってある。


そういうときは嘘はダメだけど、真実の部分を一部だけ伝えるとか、嘘はつかないけど別の理由を伝えるとかがあとあと辻褄が不整合にならなくていいですね。


無難なのは、頼む人が会うことのない人からのたってのお願いとするパターンです。管理部門から「急に提出が必要と言われて…」と、最終的に管理部門に渡る資料ならそれでもいいわけです。その間に何があっても。


繰り返しますが、嘘はダメですよ。あとでボロが出るから。


ちゃんと、目的を達成するためになっているかで伝え方を選ばないと。