システムエンジニアの採用は委託元の技術やレベル若しくは契約に関する知識を自ら知る機会

一部界隈で採用ネタが盛り上がっているような気がしますが、システムエンジニアを必要とするのは会社という組織の外から中へばかりではありません。会社の中の組織内、組織間でのシステムエンジニアのニーズは同じようにあるものです。そうしたニーズの飽和した状態が「外部にヒューマンリソースを求める」という形になって現れているだけだ、とも言えるのですが。


そういえば、以前見たエントリに採用するシステムエンジニアの力量はわからないから「短期で契約してそのシステムエンジニアを値踏みしたらいい」とあったのですが、採用予定のシステムエンジニアが別の会社であったらどういった契約形態にするつもりで書いていたのか不思議ちゃんでした。


業務委託 と契約形態
業務を委託するのであれば、次のいづれかしか選択出来ません。

・見積もり仕様を提示た上での請負契約
・委託内容を示した上での準委任契約


上記のどちらであっても、ある程度のビジネスボリュームが確実視出来なけば営業は別の案件を選ぶでしょう。また、短期かつシステムエンジニアの技量が委託元に添えばと積の条件であり、かつ人数の規模は期待できないので相当に単価が高いオファーでなければ他を探すでしょう。つまり、委託元の一方的な我儘を短期の採用でマッチングすればいいと書いた人は売る側の視点が欠けていることを露呈していると写るわけです。


内部要員としての派遣ともう一つの方法
では請負契約や準委任契約以外に人の採用の方法はないのかといえば、委託ものとの社員とみなす派遣契約かウルトラC的な紹介予定派遣くらいでしょう。


前者の派遣はご存知のとおり派遣されるシステムエンジニアに対して業務指示ができるわけですが法改正で一定期間で契約を延長することができなくなりました。派遣契約も短期よりはある程度仕事を続けたい、でも、時間外までは働きたくない、働けない事情があって派遣をされている方もおられるのでその観点から言えばある程度の期間の確保をして安定的に働きたいでしょう。であれば、派遣であっても短期でマッチングするかどうかを値踏みされた上で切られる案件よりは別の案件に労力をかけたくなるのが心情でしょう。


後者の紹介予定派遣は、知っている人は少ないかもしれません。これは短期限定の派遣ですがその派遣のシステムエンジニアを正社員として採用したい場合は期間満了後に社員として採用できるというものです。


もしかしたら、以前見たブログのエントリは紹介予定派遣を指していたのかもしれませんが、なにせ社員として採用するとは記載されてはいませんでしたし、この紹介予定派遣を知っている人は多くはないですからその線もないでしょう。


採用するシステムエンジニアの技量の見極め方
いづれにしても、−−そう、外部のヒューマンリソース若しくは一時的な内部のリソースとして−−ですが、レジメと経歴紹介だけでは全くもって期待値を外す確率が高いです。


一番いいのが社員の紹介なのですが、それは紹介する社員も一緒に働いて成果を出せると知っている人しか紹介しない、というロジックが働くからで、ある意味紹介する社員が連れてくるシステムエンジニアの信用となっているのです。だから下手なシステムエンジニアは連れてこない、と。


で、どう見極めるかですが、アプリケーションのシステムエンジニアであれば、コードやロジックを問う質問をして答えさせるのが一番です。


それには、質問する側が採用した後にアサイン予定のプロジェクトで必要としているスキルセットやレベルに応じた課題を準備しておかないといけないわけですが、その手間を惜しむよりはハズレを引いて後々の負担とするよりは安価な対策ですし、使い回し(=1人目で欲しい人材が見つかることはない)もできるので結果的には安く上がりますので。


インフラのシステムエンジニアならどうするか。こちらも採用後にアサイン予定のプロジェクトで必要とするスキルセットやレベルに応じた課題を用意するわけですが、こちらの場合はOS、ネットワークやミドルウェアの製品知識がかなり必要で適用する製品の互換や非機能要件の実装の仕方などのアーキテクチャーをデザインできるか、障害切り分けのトリアージの仕方の勘所を持っているかを見極めるように設問することが必要です。


コミュニケーションコストも合わせて見極める
技術のほか、コミュニケーションコストがどのくらいかかるかも見極めておかなければなりません。いくら技術力が高くてもコミュニケーションコストが高ければ採用した現場にとっては総合的にマイナスに働くからです。


面談や業務紹介の場では、先方はモリモリに盛ってきますからそのまま鵜呑みにはできないのです。


ではどこを見るか、ですが、やはり課題の中でどれだけ質問をしていくるか、でしょう。会話を自ら働きかける意思を持っているかどうか。目的を達成するために自分のコストをかけ問題解決を働きかけようとしたか。


そして、課題の解決に至ったか。


採用は委託元のレベルを自ら知る機会
外部のヒューマンリソースとして、若しくは、内部のリソースとして経験者を採用するのは期待する技術やレベルを獲得してきた時間を買うことと一緒です。


であれば、期待する結果をパフォームする人かどうかを見極めなければならないわけです。下手なシステムエンジニアを採用したり、委託先として契約するということは委託元の才能のなさを反省すべきなのです


これって結局採用する自分たちのレベルを知るきっかけでもあるのです。