システムエンジニアもリーダになったら演技力が基礎スキルとして必須科目になる

システムエンジニアに演技力とは畑違いというか程遠いスキルのように感じるかもしれないし、演技力でプログラムは書けないし、プロジェクトがオンスケで進行するわけでもないのは明白ですが。

ちょっとこんなケースを想像してください。

あなたは部門長に呼ばれ、あるプロジェクトの進捗が思わしくないのでヘルプを頼まれた。

チームの状況を前任者に聞いてみたら、メンバのアウトプットの品質が悪く、外部レビューで指摘が多いいし、そんな状態だから進捗も遅れている。どうやら、メンバは会話も少ないし、作業の品質が悪いから何度も手戻り作業が多いらしい。

あなたはこのチームをどう立て直すか。

 上手くいっていないプロジェクトの原因のフルコンプのような設定ですが、まあ、上手くいっていないプロジェクトはだいたい同じような症状ですよね♡

いろいろやることはありますけれど、そしてどんな策をやっても少しずつ効果もあると思うのですけど、そうした立て直し策はどこの上に乗せてキャリーするか、という一歩引いてみたときの技術チックに偏り過ぎない、基礎スキル的な部分でも何か対策をやってみて欲しいんですね。

結局、プロジェクト、それもITのプロジェクトはほとんど人海なんですよ。人手に依存してしまう。要件を画面に打ち込んだらシステムが出来上がるなんてないです。そういう前提に立ったとき、人手たるメンバが仕事を「やろう」と思えるような環境になっているかどうかってとても大事なことなんですよ。

特に、リーダがヘルプで外から急に入ってくるときメンバはどういうことを想像するかを考えてみるとヒントになります。

状況的に立て直しで入ってくる人は「やり手」なわけです。そりゃそうですよね、下手な人材を投入して立て直しなんてできるわけがないです。そうすると、メンバはガチガチに管理されるのだろうとか、細かく指示されて窮屈になりそうだとか、過去の黒歴史的に経験したプロジェクトを引っ張り出して回想するわけです。

「これから大変そうだ…」

と。そうした状況設定は容易いじゃないですか。メンバはプロジェクトが上手くいっていない共犯ではあるかもしれませんが半ば被害者でもある。プロジェクトを上手く運営できていない責任はリーダにあるのですから。

リーダとしてヘルプに入る「あなた」だってどうせ立て直すなら楽に立て直したいと思っても不謹慎でもおかしくもないです。リーダやプロジェクトマネージャならこそ、いかに

「チームが楽にプロジェクトを完了させることができるか」 

を考えている生き物です。わざわざ、自分から大変なプロジェクトにする必要は微塵もないんですから。

だから、警戒しているメンバの警戒心を取り解いて、ニュートラルな状態にすることが最初の仕事になるです。

だから、最初の策はこれです。

笑顔はタダで一番効果のある対策である

 何があっても目を見て笑顔で。真面目な顔でもいいですがその分ソフト且つ丁寧に。

この新しいリーダは敵ではないことを認識させることです。仲間であること。チームであること。今までやってきたプロジェクトを「しょうがない、協力しよう」と思わせられるかどうかが鍵です。その鍵を開くのが笑顔なのです。

ただ、ゲラゲラ笑えばいいわけじゃないし、からかうようなことは逆効果です。そうならないように演技力が必要なんですよ。

爽やかな(どんな顔をすればいいのかな)
ソフトで(ってどんな雰囲気なの)
丁寧に(加減はあるのだろうけどどの程度までやればいいの)
笑顔で(口角を上げる感じでいいの)

 と言葉を実践すると実はそれほど意識的にやっていることってないんですよ。だから、演技力が必要になるんです。そして、チームを立て直すことを楽しむためのスキルの習得として演技力を身につけることが必要なんですね。

まあ、最初からやって1日持たないですよ。笑顔なんて。それほど難しいスキルです。不意にニコってできるようになればOKですよ。