定性的なリーダシップと定量的なマネジメントのスキルと育成の課題

マネジメントとリーダーシップはどう違うか タイム・コンサルタントの日誌から


良い解説だと思いました。常日頃、思っていることだし、このブログでも多分、彼方此方に書き散らしてきているテーマでもあります。


引用のブログにも書かれているように、マネジメントは再現性を求められるものです。再現性とは同じ手順で行えば同じ結果が得られるということを期待しています。同じようにやれば同じ結果が(多少の誤差はあるかもしれないけれど)同じアウトプットが得られる、と。


ISO9001とかはQMS、Quality Management Systemとか言ったります。QMSにもManagementが入っていることからわかるように、行為に再現性を求める、つまり、行う振る舞いをコントロールするという意思があります。
#なんて書いた後に引用先を読み直したら同じようにQMSが示されていて誰もが考えることが同じだな、と。


コントロールするためには、目的に合わせて行為をデザインし、期待する結果を得られるようにモニタリングし、計測結果が期待値から外れたら修正するサイクルを組み立てます。


設計、実行、計測、修正とサイクリックにプロセスを回すのでこれはエンジニアリングなんですよね。


ところが、リーダシップはこれが適用できないんですよ。


それは定性的だから。リーダーシップって定義が千差万別だし、定義ができないから計測もできないんですよ。定義ができないから、「リーダーシップ」の実行プランも作れないし、計測することもできない。


なんとなく、チームリーダーをやって結果が出たから評価しているのが実情なんですよね。いや、マネージャの立場ならいいますよ。「リーダーシップを育成しよう」と。リーダーを育てるのもマネージャの仕事ですから。


これまでのブログで、基礎スキルと技術スキルと書いてきたところの、基礎スキルの一部にリーダーシップがカテゴライズされるのです。技術スキルは、方法論、アルゴリズムの知識やそれを利用するスキルです。方法論の知識を知っていて、実際の現場に適用して使い、問題解決することができるかどうか。アルゴリズムを適用してプログラムを実装できるかどうか。結果を計測しやすいし、第三者が見てもわかるんですよね。


でも、リーダーシップはそうはいかないのですよ。


先天性の生まれ持った性質と後天性の学習により身につけた性質で人の特性は構成されています。先天性の性質はほぼ変えることができず、後天性の性質は変えていくことができます。


後天性の性質は技術スキルを支配します。だから技術を習得して身につけることができるし、学習の習熟度でスキルもアップするんですね。でも、先天性の性質はそうはいかないのです。最終的な、根本的な本人の価値観になっているので。


リーダシップは先天性の性質に深く依存している。個人の価値観に左右される。だから、定義の定まらないリーダーシップは個人の価値観で解釈され、個人の関心で実行されるので、計画も実行も計測も修正も定量的に示せないんですよね。


ここがリーダシップを持ったメンバを育成しようとするとマネージャの思考が止まり、最終的には為すが儘となってしまうところの所以です。それでもあきらめず、具体的な例を示して促し続けるのがマネージャの仕事なのですが。