システムエンジニアはSIビジネスの「なに」に疲弊しているの


相方 「さっきの月次のプロジェクトレビュー、PMもメンバもかなり疲弊していますね」
ワタシ「そうだったかな」
相方 「時間に追われている感じだし、かなり労働時間も多いですし」
ワタシ「あれ、コスト計画の実績ってオーバーランしていたっけ」
相方 「いえ、それはないですが」
ワタシ「そうだよね。そうだったらレビューで原因と対策と見通しを聞くもんね」
相方 「ええ。でもメンバに聞いてみると中り疲れている様子で」
ワタシ「サービス残業させているの」
相方 「いえ、勤務時間はきちんと申告しているようです」
ワタシ「そりゃそうだ。申告しなさいと通達でてたし」


相方 「でも、現場は疲弊しているようで」
ワタシ「うーん、具体的でないから期待しているだろうことを返せないなぁ。もう少し知っていることはないの」
相方 「よく指示が変わるとか、急な割り込みが入るとか」
ワタシ「…。その他には」
相方 「技術のカバレッジを広げさせたいからって、得意分野をたすきがけで担当させているメンバもいて、それが負担になっているとも」
ワタシ「ふーん。それで」
相方 「それで負担が増えたり、ドキュメントの品質に問題があるようでレビューが多くなっているとも」
ワタシ「そうなるよねぇ」
相方 「ええ」
ワタシ「それでなにが問題で疲弊しているの」
相方 「なんでしょうね」
ワタシ「いや、ワタシの質問ターイムなわけで」
相方 「あ、すみません」
ワタシ「まぁ、ワタシが質問に質問で返しちゃったしね」
相方 「いえいえ」


ワタシ「でさ、全部わかって始めていることなんじゃないの、それ」
相方 「そう…言われればそうかもしれませんが」
ワタシ「じゃあさ、なんでも望めばリソースは与えられる前提にするんだけど、なにがあればその問題は解決すると思う」
相方 「なんでもいいんですか」
ワタシ「いいよ。現実に与えることはできないけど。あくまでも想像で」
相方 「担当のカバレッジは、そうですね。もう少し考える時間があれば」
ワタシ「どのくらい時間があればいいと思う」
相方 「どのくらいでしょうか」
ワタシ「言い値であげるよ、時間を。言ってみて」
相方 「2割くらい…かなぁ」
ワタシ「30時間くらいかな。4稼働日でいいの。それでドキュメントの品質問題は解決すると思う」
相方 「えー、どうでしょう」
ワタシ「急な割り込みとかにはなにがあればいいと思う」
相方 「プロジェクトマネージャが判断して調整する時間でしょうか」
ワタシ「メンバにはいいの」
相方 「ええ、そうですね。仕事の調整ができないから割り込みが入るとしんどいのでしょうから」


ワタシ「あのさ、もしのその時間をあげてもね、なにも解決しないよ」
相方 「え、でも時間がないから追い詰められて疲弊している…」
ワタシ「時間が最初からあったら、最初からその時間をフルに使って同じアウトプットするよ」
相方 「そんなことないと思いますが」
ワタシ「人間って使える時間はフルに使うよ。既得権だね100時間あるって知ったら100時間に終わるように手をつけるから」
相方 「じゃあどうしたら」
ワタシ「品質の問題と割り込みの問題の本質というか対応は同じといれば同じだと思うよ」
相方 「どこがです」
ワタシ「どっちも経験値という引き出しがないから自分からしんどい選択肢を選んでいるんだと思うけど。担当のカバレッジは知見の持っている人がもう少しレビューしてあげるのがいいんだろうね。要求レベルの品質を確保するところまでは。専門分野ではある程度のレベルなんだろうから基礎スキルと技術スキルは持っているんだろうから応用だよね。カバレッジする技術の不足分の手当てをするんだろうね」
相方 「でも、それでプロジェクトのコストはオーバーランしませんか」
ワタシ「するかもね。でも、最悪なケースは品質が問題となってやり直しやメンバ入れ替えとかもっと大きな問題になることじゃないかな。第一、これはある意味マネジメント側の挑戦なケースでしょ。なら実情に合わせて対策を立てて、了解を貰わないとね」
相方 「でも承認してくれますか」
ワタシ「選んで貰えばいいじゃない」
相方 「でもやれって」
ワタシ「もちろん、プロジェクトとしてやることはやるんだけどさ」
相方 「まぁそれはそうですね」
ワタシ「で、なんで疲弊しているの、現場は」
相方 「技術不足、ですか」
ワタシ「いや、違うね」
相方 「なんですか」
ワタシ「マネージャの覚悟、じゃないかな」