SE相談室「提案のリスクはどこまで予測すればいい」

提案リーダ「と、こんな感じなんですが」
ワタシ  「いいんじゃないの。これなら」
提案リーダ「プロジェクトのリーダは提案時にそこまで考えておかないといけないですか」
ワタシ  「別に考えなくてもいいけれど、デリバリーのときに実際にはスキルが足らないとわかったら本人もフォローする側も追加コストが増えちゃうじゃない」
提案リーダ「そう言われればそうですが、それはプロジェクトの問題ですよね」
ワタシ  「そう面もあるし、それをわかってアサインするのがマネージャの仕事だけどさ」
提案リーダ「そうです、マネージャの仕事です。本人も頑張ってもらわないと」
ワタシ  「でもね、カツカツのコストだったらコスト的に頑張れないじゃない」
提案リーダ「コストが厳しい案件もありますね」

ワタシ  「例えば、若手を実務で経験値を得させたい、育成のウエイトもある案件だったらそういった教育コストも必要なわけ」
提案リーダ「一つ上のロールに挑戦させる、みたいなですか」
ワタシ  「そうそう。でもそういったコストを誰が負担するか。厳密には誰がどこでなんて決められないし、何でもかんでもお客さまや自分たちのどっちかにつけておくなんてできない」
提案リーダ「そうれはどうして」
ワタシ  「だって、当事者がどこで何を経験するかわからないもの」
提案リーダ「でも、意図してアサインしますよね」
ワタシ  「そうだね、動機付けの上手なマネージャならアサインするロールの意味を説明して送り出すと思うけど」
提案リーダ「私はそういうのしてもらったことないかな」
ワタシ  「してもらった方がお互いの、マネージャとエンジニアのね、目標設定ができていいんだけどね」
提案リーダ「そうですね、そう思います。それはいいなぁ」

ワタシ  「そういうのをやるとね、マネージャも腹をくくると思うんだよね。どのポイントは重点的に見ようとか、ここまでは頑張らせようとか」
提案リーダ「もしプロジェクトがおかしくなり始めたらどこからフォローに回る、とかですか」
ワタシ  「マネジメントとしての閾値を設定するようなものかな」
提案リーダ「それってアサインする人で違うでしょう」
ワタシ  「ベテランと中堅と伸ばす人ではね。同じようにしていたらマネージャのリソースが持たないし、ベテランからしたら放置しておいて、って思うでしょ」
提案リーダ「そうですね」
ワタシ  「と、誰をアサインするかでプロジェクトのリスクも組織の負担も変わるよ、ということなんだね」
提案リーダ「それを提案で意識して欲しいと」
ワタシ  「だって予測できるじゃない。そうそう、リスクとして識別しようね、ということなんだよ」
提案リーダ「でも予想外にうまくいくことだってありますよね」
ワタシ  「やることをやったから上手くいくんだけどね。リスクはさ、悪いリスクばかりじゃないんだ。良いリスクだってある。結局、両面で考えて識別して何が起きるか、それが起きたら何をしないといけないかそういったことをデリバリーの責任者は頭の片隅において欲しいんだよね」
提案リーダ「ことが起きてから慌てるな、ということですか」
ワタシ  「まぁね」

提案リーダ「あとの提案の内容はどうでしたか」
ワタシ  「提供するサービスも明示的に書かれていたし、前提も書かれていたからいいんじゃないかな」
提案リーダ「ありがとうございます」
ワタシ  「そんなのいいんだけど、どうせプロジェクトが始まったらどこかが変わっていくんだからさ、初めの起点を決めておこうってことなんdけどね」
提案リーダ「起点」
ワタシ  「Aをやりたかったけど、ビジネスニーズが変わったのでBをやりたいと言うかもしれない。そのとき、対応してあげたいじゃない」
提案リーダ「SEとしては」
ワタシ  「そう、だからニーズに合ったやり方でやるけれど、かかる費用もあるので起点から現在位置で精算なり追加なりしてBをやりましょうというときのベースラインが提案した契約になるからね」
提案リーダ「そうですね」
ワタシ  「あっ、そろそろ次のミーティングがあるから、それでは」
提案リーダ「では」