野菜作りにもプロジェクトにも近道はない


昨日はだいぶ暖かくてもう春を実感できますね。季節で言えば3月は春の最初の月なので当たり前と言えば当たり前なのですが。


3月になるとそろそろ庭の横っちょに野菜の苗は何を買おうかなとか、その前に土に土場改良材を入れようかなんて考える時期でもあります。この、春先にリビングで妄想する時期は、ですが。ところが、現実には週末に雨が降れば次にしようとか、子どもの用事が入ればまたこんどにしようとか、今日は面倒臭いとかいろいろと阻害要因があってなかなか実行されない。


と、何が起きるかというと作付けが遅くなるわけです。遅くなれば野菜であれば収穫が遅れます。野菜はその種類で植え付け時期や収穫時期があるのでそれに合わせないと期待する収穫が得られ無くなります。採れたとしても形が歪だったり収量が減ったりすることが起きるのです。


おや、たかが家庭菜園レベルの営農でもちゃんとしたプロジェクトではありませんか。


収穫したい野菜の特性を知らなければ野菜に合う土場を作ることはできません。


ウォーターフォールが嫌いだからアジャイルをだとか、アジャイルなら早くて安く作れるんだろうとか、ただアジャイルをやりたいからアジャイルを、では収穫したい野菜と期待する収量が得られないのです。同じように、今までと同じやり方で別の野菜を育てようとしても上手に育てられるかどうかはわからないです。前の開発がウォーターフォールだったから盲目的に今回もウォーターフォールで、ではうまくいくわけがないのです。


野菜の品種に合う土場を作ること。水はけの良い土がよいのか保水性の良い土がいいのか。酸性が良いのかアルカリ性が良いのか。肥沃な土が良いのか、肥料は少ない方が良いのか。


種の蒔く時期はその地域で変わります。プロジェクトのタスクはマイルストーンがあってそれに必要な部品が集まるようにスケジュールしなければなりません。種を蒔き、定期的に肥料を与え、雑草を抜き、支柱を増やし、脇芽を取ったり摘果することが必要なように、タスクを配置し、ひとつ一つ積み重ねなければならないのです。


さらに言えば、自然の天候の中で小さな営農をすることになりますから、自分では到底コントロールできない不確定要素とお付き合いしなければならないのです。多雨も少雨も遅霜も酷暑もお構いなく起きます。


水遣りが必要なのか、追肥が必要なのか、不要な葉を落とした方が良いのか、枝を払って日が当たるようにした方が良いのか。そうしたことは自分の目で日参して確かめないと判断がつかないのです。必要とするタスクをしなければ期待する品質や収量を得られないのです。


そこには手抜きもショートカットもないのです。必要な時間をかけ、必要な手間を取ることで初めて手に入れることができるのです。しくみ、システムの上での営みに近道はないのです。