システム開発の見積もりで知らないといけないコスト構造とは


委託先としての見積もりは良くあるけど委託元としての見積もりってそうそうないな…と思ったけどよくよく考えてみたら、業務の一部を外部委託するときは同じ構造だと気付いたのでもやもやしていたことは払拭されたけど、エンドユーザーの立場と限定するとなかなかないかも。


エンドユーザーかプライムコントラクターかサブコントラクターかサブサブコンの何れにしてもシステム開発での見積もりは以下の要素が含まれます。

1.自分たちの労務費
2.自分たちでできない場合に外部委託する費用
3.システム開発で掛かる経費
4.予備費( コンテンジェンシー)


自分たちの労務費とは社員の労務費です。働いたら働いただけコストが増えていきます。見積もりをするときには、最低限、過去の類似プロジェクトの実績などを参考にした類推見積もりをしていないとコストオーバーラン必必至です。


忘れてはいけないのが、外部委託する場合の外部委託先との報告会などの会議に掛かるコストや成果物の受け入れ検査などのプロジェクトマネージメントとしての管理工数です。


外部委託する費用は、自分たちの労務費に社員を当てられない、平たくいえば人が足らない、適用する技術を持っている人が社内にいない場合に助けてもらう場合の費用です。これは委託する業務仕様の詳細を示して見積もりを取らないと決まりません。出せる金額の上限が決まっていている場合は委託する業務仕様に漏れや曖昧さがあると契約範囲外となって追加費用が発生することがあるので注意が必要です。


経費は、開発用のPCのレンタル費用とかIaaSのサーバ費用とか旅費などのいわゆる経費です。ここの費用も遠方での作業が想定される場合は、旅費と宿泊費を往復回数や宿泊回数に行く人数を掛けて算出しておかないと思わぬコストオーバーランを招きます。


見慣れないかもしれないのが最後の予備費であるコンテンジェンシーです。プロジェクトのリスクに応じて予備費を計画しておきます。この予備費はコストの合計に対してリスクの発生確率を勘案して計上します。まぁ、あまりにも予備費がコスト全体と対比して大きければそんなリスクのあるプロジェクトは本当にやるのか、という判断ポイントがありますが。


プロジェクト単体ではこれで売り上げに対して利益が出れば黒字ですが、会社の管理部門(営業や経理といった人たち)の費用が配賦されても利益が残らないとプロジェクトは成功ではないので相応に利益が確保できるコスト構造の構築が必要ですが。あと、税金もかかるし。