先輩、カンバンのToDo/Doing/Doneをプロジェクトでカスタマイズするのはどうしてですか

「先輩、カンバンの基本ってToDo/Doing/Doneですよね」
「そうね、基本はね」
「その基本と比べると縦の列が随分と多いですよね」
「えぇ、何か気になったことがあるのかしら」
「いえいえ、基本と随分違っちゃっているなーと思って」
「そうね、このプロジェクトのプロセスを表現しているから」
「いいんですか、基本を変えてしまって」
「プロジェクトのメンバが困っているなら変えてもいいのよ」

「そういうことではないです。だいぶ進化している、みたいな」
「そういう気づきはいいわね。どうしてこうなっているのだろうという観点ね。一つ質問ね。どうして基本は3つなのでしょうね。4つでもいいと思わないかしら」
「えぇぇ、難しい問題じゃないですか」
「難しく考えないで気づいたことを教えてくださらない」
「そうですね…なぜ基本は3つなのかですよね…どうしてかなぁ…」
「混乱しないなら、なぜ、わたし達のプロジェクトは列をたくさん増やしたのかしら」
「それならわかります。列を増やすの一緒にやりましたから。作業の手続きそのまま列にしたからですよね」
「そうね。でもそれはどうして作業の手続きを列にしたのかしら」
「なぜなぜだ…あれ、でもどうしてだっけ…えっと、うーん、ちょっと待ってください」
「いいわよ、締め切りなんてないから」
「それはそれで宿題になると大変になっちゃうのでここで」
「良い心がけね」

「先輩のパターンだんだんわかってきましたから」
「うふふ、期待しているわ」
「で、どうして列を作業の手続きにしているのか、でしたね。あぁ、わかりました。状態が一目でわかるようにです」
「うれしいわ、わかっていてくれて」
「やった、ありがとうございます」
「でも、一つなのかしら」

「え?」
「物事を洞察しているのだから1つの答えを見つけても考えることをやめてしまってはもったいないわ」
「他にかぁ…」
「ヒントが必要かしら」
「まだいいです」
「カンバンを一瞥すれば今の状況がわかるようにしたのよね」
「はい」
「それは誰の視点かしら」
「ちょっと待ってください。ヒントは必要ないです。まだ、まだ…」
「あら、もうギブアップしたのかと思っちゃたわ」

「意地悪ですね、こういうときの先輩は」
「そうなのかしら」
「考えているんですから思考に割り込まないでください」
「ごめんなさいね」
「いいです、いちいちレスポンス返さなくても」
「それは残念ね」
「だから…もう…、カンバンは今の状態を表している…なぜ、今の状態を表さないといけないのかな」
「…」
「こう、なんかここまで出てきそうな…」
「(ニッコリ)」

「ん、今の状態がわからなかったらどうなるの。いまどの状態かいちいち聞かないとわからないことになるし、進捗するプロセスが見えなくなっちゃうわけで…」
「(あらっ)」
「進捗、作業プロセスが見えなくなってしまいます」
「そうね、いま細分化されている列が1つのDoingになってしまったらどんなプロセスなのか見えないわね」
「列が1つになってしまうと列の中で状態がかわるから完了基準が自己判断になっちゃうかも」
「それは困るわね、メンバでバラバラになってしまうと」
「みんなが好き勝手に完了条件を決められることになる。それは困りますね」
「わたし困っちゃうわ」
「先輩が困るのはいいです。プロジェクトだと困ります」
「酷いこと言うのね」
「スルースルー。でプロジェクトで困らないようには完了基準を同じにすればいいわけで」
「それを可視化したら」
「作業は同じ判断で進められる」
マーベラス
「なんですか、それ」
「褒めているのよ」