システムエンジニアの需要が高まると湧いてくる出来の悪いSEを見極めるには


「メンバがひどくてイライラするんですよ」
「なんかあれてるね、どうしたの」
「プロジェクトチームに社員が出払っていたのでビジネスパートナーを入れたんですが、これがもう使えなくて」
「普通は使う側が使う技術持っていないことが多いけどね」
「今回は違うんです。英語のマニュアル読めませんとか平気で言うんですよ」
「製品マニュアルなの、ふーん。分からなかったらコピペしてグーグル先生に聞けばいいじゃな。ダメなの」
「どうやってもいいんですよ、仕事が進めば。頑なにやらないんですよ」
「IT業界で英語が書いたり話せなくても、割と読める人は多いよね。英語のマニュアルが多いからね」
「そうですよね。あとですね、進捗がずっと70%なんですよ」
「なに、その70%って。普通80%で進捗止まるのがお作法だよね」
「それはそれで困るんですけど。じゃなくて、ずっと3週間70%でその翌週に心が折れたとか言ってこないんですよ」
「退場させればいいじゃん」
「さすがにもうそうしました」
「というかさ、なんでそんなに引っ張っているのよ。そんなシステムエンジニアの風上にも置けないような奴は1日か2日で化けの皮はがせるでしょ」
「こっちも忙しくて都度都度確認できていなかったからしょうがないんですが」
「そんなの関係ないじゃん。仕事なんだから、責任果たせよって言えばいいじゃん」
「そうなんですが」
「いまは」
「だいぶメンバを入れ替えたので落ち着きましたけど」
「業務説明した奴がバカなんだな」
「業務説明がなんで出てくるんですか」
「こっちから業務に必要なスキルセットやレベルを説明するだろう、ふつうはさ」
「していたと思います」
「だったらさ、それでそんな風上にも置けない奴が来たとしたら、説明した奴が人を見る目がなかったんだよ」
「そうかもしれませんが、それって難しくないですか」
「なんでそう思うの」
「実績なんて分からないじゃないですか」
「それって、つまり、信用していないんだろう、レジュメを」
「レジュメは申告ですから」
「わかっているじゃん。だったら、なにを確かめればいいかを考えればいいんだよ」
「あ、そうですね」
「わかってないだろう」
「えっ」
「キミならなにを聞く」
「そんな急に聞かれても」
「その風上にも置けないシステムエンジニアにはなにをさせたかったんだい」
「上流設計の担当メンバから、ですけど」
「じゃあ、その仕事にひつようなことを聞けばいいじゃない」
「あ、そうか」
「そうだよ。それでなにを聞く」
「製品技術を適用した設計、とか」
「ほかは」
「仕様検討ができるとか」
「要件を満たす仕様案をつくるってこと」
「はい、そうです」
「ほかは」
「そのくらいかと」
「それだと足らない」
「足らない…ですか。なんだろう」
「レベルがわからない。技術レベルがね。むしろそっちの方が大事だよ。相手の年齢で勝手に期待しちゃダメなんだよ」
「そこそこの年齢なら当然リーダの経験持っていそうですけど」
「まったくない。いま、そこそこシステムエンジニアの需要が高まっているから不況の時には市場に出てこなかった奴らが浮上してくるんだよ」
「ひどい」
「ひどいのはどっちだ。金ダメもらって逃げちゃったんだろう。詐欺みたいなもんじゃないか。アウトプットと等価交換しないと契約不履行だよ」
「たしかに」
「でもね、訴えられるのはそうした奴と契約した方だよ。そいつが悪い」
「うわぁ」
「でも、プロジェクトはそれで実害あったんだら、次は自分たちで選ぶことだよ」
「それができれば」
「同じ繰り返しをしたくないならど売ればいいかわかるだろう」
「そうですね、そうですねぇ」
「プロジェクトチームはそうした被害を最小にしたければ、joinした1週間で見極めることが必要。そういった仕事の出し方をして心中できるかどうか見極めないと」
「そうですね、これからはそうします」