SEのコピーとペーストの間にあるもの

「手順書の進捗進んでないけど何に困っているの」
「いえ、作っているのですがボリュームがあって」
「そうだったんだ。ところで、何か過去の手順書を雛形にしたの」
「いいえ、自分で作ってます」
「あるもの使って欲しいなぁ。ほら、体裁とか構成とか省けるしさ」
「言われればそうですね。次はそうします」

「この手順書は、前の手順書をパクって作ってね。パクるといってもこのプロジェクトのだけどさ」
「はい」
 :
「あの、これ作りにくいです」
「なんで」
「構成が違います」
「それは変えていいよ」
「そうしたらコピペで終わらないじゃないですか」
「そりゃそうだ、だって作っている手順が違うじゃん」
「だったらこれをベースにする必要ないんじゃないですか」
「いやいや、コピペで済んだらキミである必要ないじゃない。アルバイトで十分じゃん。専門家の知識や技術が必要だからメンバなんだよ」


手順書ばかりではないですが作るアウトプットにより、テンプレートや過去のアウトプットを雛形に使うことはよくやりますよね。テンプレになるような決め事はアウトプットの内容には影響しないのに、見た目で目立つからどうでもいいところでコメントがあると手間が増えて仕方がないです。こういったものは上手に過去の資産を有効に使うことが「効率化」なんですよね。


進捗の遅いメンバに限ってそういったテンプレートや過去のアウトプットを探したり聞いたりして使いまわそうとせずに、一から自分のオリジナリティを発揮しようとするのでこちらとしてはたまりません。だって、使い回ししてくれた方がやることが少なくて早いんですから。


じゃあ「こっち使って」と渡せば、コピペするだけで中身を考えないでコピペしたり。キミ、「専門家じゃないの」と3度くらい聞きたくなる。ほんと。こうした特性を持つメンバって5人位のチームだとひとりくらいの割合で混ざってくるんんですよねぇ。経験値的に。10人になればふたりくらい。割とバカにできません。進捗とコストにおいて。


技術には、技術そのものを考え出す一部の人と、考え出された技術を応用を利かせて適用する人と、パターン化された技術を利用する人に分けられます。プロジェクトでは、技術を応用を利かせる人とパターン化された技術を利用する人で構成されます。


後者のパターン化された技術を利用する人には技術を理解する能力と実装する能力が必要で、そこにはパターンと実装する仕様のギャップを知り、パターンを置き換えるスキルが必要です。そのスキルが怪しいひとがある一定の割合で含まれるから厄介です。

「コピペして使って」


たったこの一言には暗黙に理解して適用して効率的にやってね、含まれているのですが。