成果の出ないリソースに対する対処療法は他のメンバのリソースまで食い潰す


仕事をしている上で、一緒に働いている仲間の繁忙を周りが助けるのは作業の平準化の観点では誰もが納得出来ることです。いや、もともとのタスクをアサインするときに平準化を考慮するのは基本ですが。


平準化をしなければならなくなる原因は、タスクを切り出したときの見積もりが誤っていたか、識別できないリスクが潜在していてそれが発現してしまうことで見積もりが大幅に膨らんでしまう、ということもあります。識別できないリスクは対策のしようがありませんから。あと、自分でリスクを作り出す、というのもありますね。そのリスクも外的要因なのか、たとえば要件定義でスコープのコントロールを放置していないためにクリープさせてしまう自爆なのか、のどっちなんだよ、というのはありますが。


この場合の前者は割と仕方がないと思えますけど、後者は不満が溜まりますね。だって、不作為だもの。プロジェクトマネージャがちゃんと見ていないからだよとか、SEリーダはなにやっているんだよ、とかとか。


そうした見積もりを大幅に増やしてしまうもうひとつの要因に、プロジェクトに必要なスキルセットを持っているかと採用したメンバが実はダメダメだった、みたいな不幸なケースもあります。さっさと入れ替えたほうがいいのですが、採用まで手をかけたコストが惜しくてなかなか買えないのは悪手なんですが割とやりますね。それ。


こうした作業見積もりを見誤ってしまうケースの中で、チームの関係が感情的になってしまうのが、やはり、メンバが持っているはずのスキルが期待値とはかけ離れていたためのリカバリしなきゃ、となったときです。


だって他のメンバからしたら自分は一人前の仕事をしているときに、当事者のメンバは0.1人の貢献をしているかどうかも怪しいのですから。そして同じプロジェクトルームにいるなら「あいつ、1日なにやっているんだ」ってなっても当然というものです。


そうした中でプロジェクトチームの運営を正常に営むのは難易度が高いです。それにそうした原因を作っている人は開き直ったり鈍感だったりするものだから、ぐらぐらと煮えている感情に油を盛大に投げ込みますから。


そんな状況になったら、プロジェクトマネージャなら成果の観点だけで評価をすることです。関係とかしがらみとか全くなしで。原因を作っている人が一人前の貢献をしていないなら、ましてや他の人のリソースを侵食しているならパージしないと足を沼に自分から進むようなものです。切れないなら、メンバと関わりが極端に薄い仕事しかさせないことです。


メンバはメンバで、原因となっているメンバの仕事に関わらないように立ち回る必要があります。全員でその原因となっている人の成果物のレビューなんてしていては無駄でしかないです。そんなのはSEリーダがサクリファスとなればいいのです。他のメンバには進捗してもらうことを選択させるように立ち回らないと。


リソースの対処療法はだめなんだよなぁ、基本は。