その人の考えるスキルや表現するスキルを知りたいときにはこれが一番簡単なやり方


ワタシが社会人になってから、世の中の仕事のサイクルがだいぶ短くなってきました。端的には、プロジェクトの進捗が週次単位だったのがデイリースクラムのように日次が取り入れられるなどがあります。20年以上前の進捗会議なんて、遅れていること自体を把握すること自体が希薄だったし、遅れていることを認識することにもあまり注意が払われていなかったし。だから、遅れているとなると、ほぼ1ヶ月くらい遅れている状態からスタートになってしまっていたり。今考えるとぞっとしますね。


議事録作りなんて、持ち帰って、担当がのんびり作って、チェックしてもらってと翌週の会議に間に合えばいいくらいでしたから。それが今では、会議資料と議事録の二つをプロジェクタに映してその場で確認して終わりにしてしまったり、コードをペアプロで書いてしまったり、とにかく、後に作業を作らない工夫がそれなりに浸透しているように思うのです。


例えば、会議の場でメモを書き、会議の最後にそのメモを確認して議事録を終わりにしてしまうやり方はとても良いし、終わった後の記憶が希薄化してしまって誰に聞いても曖昧で困るよりは、断然良いです。ただ、こうしたやり方はそれなりのスキルを求めるのでメモをとってその場で完成させる担当になった人は、思考と語彙力が丸裸になってしまう、という副作用がありますけど。


要約力が試される
会議やディスカッションのような場であれば議論している内容の中から取捨選択して、要旨だけを整理する要約力が試されます。会議の最後に議事録のメモを見せるということは、議論の何を理解して、何を取捨選択したかをその会議の出席者全員に目撃されるということです。


実際、これをやってみるとわかるのですが、割とその場で、要約できる人は多くはいない、ということです。議論の全部を書き残そうとして破綻してしまう人や、議論の要旨ではない個人的に関心を持っていることを残してしまう、などがままあります。一番困ることは議論の要旨を歯抜けで残されることです。全員で、抜け漏れからチェックし直さなければならないので。


直接言語化するスキルが試される
プロジェクタに映した議事録のメモを見せ、その場で議事内容を確認すると、あれこれと修正コメントがその場でつくものです。今その場で議事録のメモを確認・修正しているのは後に仕事を残さない、曖昧な記憶で書かない、ですから、コメントがつけばその場で修正し切らなければなりません。


そうすると、コメントの中から適当なところを拾い上げて、修正文をその場で作り直さなければなりません。つまり、会話をしながらライブで言語化しなければならないということです。


このライブで、言語化するには、

  • 会話のコメントから言語化する言葉を選ぶスキル
  • 選んだ言葉を元の文書とマージし直すスキル
  • 置き換える文章と元の議事録のメモ全体の整合性をチェックするスキル


が必要になります。まあ、参加者全員がレビューアでタイプしている人が一人でレビューイをするようなものです。なんとなく、しんどさは伝わるかと思います。


あとですね、立ち止まらない程度のタイピングの早さも必要です。タイピングが遅いとタイプしている人に注意が集まってしまい、プロジェクタから目が外れてしまうからです。


間違った用法
これを敢えて間違って使うと、ひどいことになるので注意が必要です。はい。