すごいエンジニアもWIPは1である

ずっと前にプロジェクトマネージャをしていたチームにすごいシステムエンジニアがおりまして。おりましてというか、そのプロジェクトの技術的なキーパーソンでして、その人がいないと「プロジェクトが成り立たない」ということがプロマネのアサインをされるときにわかったのでリソース要求では「キーパーソンがいないなら受けない」とまでいいきり、なんとか確保したのでした。

さて、もう、この時点でフラグが立っているように感じられたらあなた、鋭い。はい。フラグです。

すごいエンジニアはやぱり凄かった

上流工程のWBSを作るときも進め方についてはキーパーソンやメンバには

「こうしたいんだけど」
「いいんじゃいない」

 みたいなやり取りをして計画を詳細したんですが、方式設計などでのレビューではやっぱりできるエンジニアは

「目の付け所が違うな」

 と思うコメントをくれるのです。わかってらっしゃる人はわかってらっしゃる。

すごいエンジニアはやばかった

プロマネも汗をかき、メンバも汗をかきで進めていたわけですが、プロジェクト最適化というプロマネの都合でアサインをするとどうなるかといえば、すごいエンジニアに難易度の高いタスクばかりが集中するようになります。

プロマネから見れば、スキルレベルに応じてタスクの難易度を振り分けているので

最適化している「つもり」

になるんですよ。

ところがこれがまずかった。

難易度の高いタスクだから思うように進まない=進捗しなくなるのですよね。すごいエンジニアからしたら難しいタスクやっているんだから進捗なんて

「ベストエフォートでしか進まないよ」

となるんですけど。

すごいエンジニアもWIPは1である

二つのことを同時にできる人はいませんから当たり前のことなんですが、エンジニアがタスクを進捗させようとしたら1つのタスクに専念させてあげないと複数渡したタスクは全部締め日までに出来上がりません。

たとえ一つであっても、難易度の高いタスクなら進捗は計画した通りに進みません。大概、何かが起きますからね。

まずは、どんなにすごいエンジニアも所詮一人であることを理解することです。で、タスクは順次渡す。WIPは誰でも1なんですよ。

進捗遅れはプロマネの問題

進捗が計画どおりにいかないのは、結局、プロマネの問題なんですよね。メンバに変に期待値を持ってしまって。

そういう計画を作っていたら誰かによく見られたいとプロマネ自身が思っているんですよねぇ。初めてのプロジェクトだからとか、重要な顧客だからとか、何かよくがあるんですよ。

それは大体上手くいかないですね。プロジェクトの目的やそれから設定した目標でないから。プロジェクトの目的からの要求ならどうすれば実現できるかを導けても、欲をかくと歪むんですよね。判断力が。だから上手くいかないですね。

 結局、プロジェクトの目的に立ち戻って、やらなければならないことを確認して、メンバと分担するほかないんですよね。

そういう意味では、計画の考え方を共有しながら進めていたので再分担はすんなりできましたし、計画を調整したのでマイルストーンまでには滑り込めました。