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作業手順書の効果と弊害と

作業の手順書は、手順書で対象とする作業を確実に完了させることを目的に作るものです。言い換えれば、確立した手順を適用する作業対象に対して必ず再現できることが期待される機能です。

ですから、作業対象に対して行う行為は、手順書に記載のとおり実施されなければなりません。なぜなら、確立した手順と違う所作をすることにより生じる結果は誰も検証していないからです。

特に、本番環境の構成変更を行う作業については手順書に記載のとおり実行されることが必須であり、その手順書どおりに実施したとしても、手順ごとの結果が記載のない応答であれば作業を中断し、権限を持つ責任者が以後の作業を判断しなければなりません。

手順書は誰のものか

その手順書は誰のために作るか。そう問われるとどう答えますか。

・作業者のため
・顧客のプロジェクト目的のため

どちらも正解ですね。 では、なぜ手順書を作成するかといえば、冒頭に書いたとおり、

手順書で対象とする作業を確実に完了させるため

 です。確立した手順により、作業を確実に行うため、です。で、確立した手順ですが、これは

作業を何度繰り返しても同じ結果が得られる

という機能が備わっていなければなりません。厳密には、その手業手順を適用する環境の特徴が確立した作業手順どおりの結果と違う事象を生じることがありますけど。

手順書で期待される効果

もちろん、手順書の目的で期待される効果の筆頭は、期待する作業の結果を再現することです。

それとは別に作業手順を介して期待される効果があります。それは、チーム内のメンバ館での技術移転です。

作業手順を作成できるためには、技術的な背景と手順書で達成する目的の実現仕様を整理するスキルが必要ですが、それを省いても、手順として操作することで適用する作業のスキルの利用方法や概念については技術移転を期待することができます。

手順書の弊害

一方、手順書はその性質から、記載どおりに手続きをしなければならないため、それを強制しすぎると、手順書が「神様」になってしまいます。

「神様」とは絶対でありマスターですから、手順書に記載のとおり以外の手続きを認めません。

ただし、その作業を適用する作業においては。

弊害は、その手順書に記載のことが「一切間違いはない」と受け取ってしまうことです。

一切の間違いはないという考え方は思い込みでしかなく、そうした思い込みをすることは技術的な専門家としての思考を停止していると言わざるを得ません。

手順書自体が手順を確立する際に前提条件や制約条件という仮定を踏まえて組み立てること、技術的に考慮を識別できている範囲でプロセス化しているために、不備が潜在する可能性を持っています。

そうしたことを認識した上で、手順書を理解し、

不適切な手続きは確立した後においても見つけることが必要である

という考え方が必要です。これは、手順書を作る担当者にも必要ですが、作業を実施する担当者にも必要な観点です。