後回しにできないお金と契約

プロジェクトマネジメントにおいて真面目に学ばなければならないのは会計と法律なんです。

「どうして、システム開発に関係ないじゃん」

と思ったあなた、ワタシも20代までは無関心でした。ただ、

「プロジェクトマネージャに必要なスキルは」

と自問したというか、PMBOKのスキルエリアを眺めていて、

・コスト管理がある以上、お金の管理は知らないと拙そう
・変更管理があるということは契約を知らないと拙そう

と気づいたのでした。まる

会計について

プロジェクトにおいてお金は付いて回るものです。組織内であろうと人を動かすには予算が必要です。プロジェクトメンバの配置により組織内のコストがかかります。厳密に言えば、(厳密じゃないけど)組織間や組織内での人としてのリソースをプロジェクトに投下するのでコストを使っていることになります。

組織内であれば会社の中でコストの配賦をしているだけで済みますが、社外のリソースを使うとなると、期日に基づいてお金がキャッシュアウトすることになりますので、計画を立てておかないとプロジェクトのコスト計画が赤字になってしまいます。

人的リソースもそうですが、モノ的なリソースもそうです。例えば回線を新規に引き込むのであれば、開通月から課金されますのでコストの手当ては必要ですが、プロダクトサービスが始まらなければ(顧客がつかなければかもしれない)コストの費用化はできません。ちなみにコストの費用化とは、コストを顧客に負担してもらうという意味です。

会計の知識については、最低限、簿記がわかる程度は必要ではないかと。8桁精算表程度がわかるためには、仕訳の概念が必要で、どうしてそれが必要かと言えば、コストは最終的には勘定科目を紐付け、それでコスト計算をして行くからです。まあ、仕訳の概念はそれをやってもらえるのであればお任せして、キャッシュフローの計画を立て、押さえておけばいいのですが。

契約について

契約の知識は必要です。ほんと、コレ必要。とは言え、法律の専門家になる必要まではありません。ただ、契約形態について関連する法律くらいは知っておかないと契約時に間違えます。

それでどうして契約、法律知識が必要となるかと言えば、変更管理を行う際の判断基準となるからです。

システム開発の契約では、一般的に個別契約が結ばれると思うのですがその個別契約の中で何を書くか、若しくは、何を書かれていたかによって、プロジェクトの変更管理の中での判断に影響をすることになります。

例えば、変更要望が提案されて、それを実施するとプロジェクトで判断した際のコスト負担は誰が負うのかというようなケースはプロジェクトを推進しているなら避けては通れません。その際に、契約形態、個別契約の内容、若しくは提案仕様によって判断することになります。

放っておくと、システムエンジニアは良かれと変更をホイホイと受けてしまうフレンズなので、そうした契約外である可能性のあるスコープを勝手にクリープさせないためにも契約形態、個別契約の内容、若しくは提案仕様を理解するための知識として契約関連を身につけておくことが必要です。

参考図書

参考になる本をいくつか挙げておきます。

 

定番ポイ

「IT専門調停委員」が教える モメないプロジェクト管理77の鉄則

「IT専門調停委員」が教える モメないプロジェクト管理77の鉄則

 

 付録に注目

 1回は読んでおけ、みたいな