中堅エンジニアに求められるリーダの資質とビジネスの資質

中堅のエンジニアになるとプロジェクトチームでの役割もブロックリーダやアーキテクト、プロジェクトマネージャのサブ的な位置付けなど現場での期待が広く、重くのしかかってくるようになります。

一方、経営、つまりマネジメントサイドからの期待も徐々に増えてくる頃でもあります。早い組織では若手の頃から経営が次々世代のリーダ候補として選抜している場合もありますが、中堅のエンジニアゾーンに入ってくると確実に候補者にマークをしているものです。

リーダの資質

中堅のエンジニアは次世代のマネジメント、組織のリーダとして期待されるゾーンです。リーダとはあるところで聞いた(気がする)話では300通りの定義があってこれという定まった言葉の定義がないらしいですが、ワタシの持っている知識の限りでは、

「ビジョンを作り、伝え、自ら切り開く人」

ではないかと思うのです。

エンジニアの集団の組織であれば、エンジニアの組織の進む経営ビジョンを描き、組織のメンバに共有して、ビジョンを実現するために先頭に立って進む人と表現できるでしょう。

営利組織ですから経営ビジョンは商売が実現でき、継続的経営が成り立つものである必要があります。

ビジョンが技術全面であっても、その技術を介して利益を得る構造になっているものです。

ビジネスを支えるのは現場です。いくら組織の本社機能がビジョンを行動プランとして描いてもそれを実現する役割が機能しなければ技術の対価を得ることはできません。

経営者が描くビジョンを現実化するのが現場のリーダであり、中堅エンジニアはその役割を期待されています。中堅エンジニアには経営者が描くビジョンを推進するリーダのスキルが求められるのです。

でも、リーダの定義は300もあるのであるということは、実は

「誰とでも共有できるリーダ像はない」

ということでもあります。だから組織ごとに求められるリーダをその時々の要請に基づく言葉で表現されるのです。よって300を超えるリーダの定義に結びつくのではないかと思うのです。

こうなってしまうと、つまり、リーダという一つの言葉で微妙に違う意味が氾濫している状況ではリーダに求められる資質はあってないようなものだと捉えることもできます。

そういった背景はマネージャが変わるとリーダシップが違う自称からもその理由が理解できると思うのです。

言い換えると

「決まったリーダ像がないので教育のしようがない」

ということの裏返しなのです。が、中堅エンジニアにはリーダになることを求められるという不条理があるのです。

 

ビジネスの資質

エンジニアは技術を介して技術を利用するエンドユーザの便利を提供し、対価を得ることが仕事です。

中堅エンジニアに至っては、経営サイドに一歩近づくことを期待されているので、ビジネスを介して利益をいかに得るか、組織の一員としての役割を期待されるようになるのです。

経営者はビジョンを語ります。それを実現するのがリーダです。ビジョンは組織存続の将来像であり、リーダにはそれの実践が求められているのは確実です。

であればこそ、中堅エンジニアにはビジネスをビジョンから現実のビジネスに、技術を貨幣価値に変換することが求められているということです。

これは、中堅エンジニアのゾーンに入ると技術をお金に変えることを考え、実践することを求められるということです。

これを実践できる可能性が高いエンジニアを選抜しているのです。だって、少なくとも事業責任を担う管理職候補にするのですから。

ここのところを逃げ回っているとキャリアパスを一つ失うことになります。