理解の手抜きは怖い

あるエンジニアの仕事ぶりを見ていると、ときどき

「(その対応でいいのかな)」

と思うことがあるのです。言葉にせずに内心で思っているから()書きなのですけど。例えば、打ち合わせに参加していて率先して打ち合わせで議論された内容をまとめてくれたところまでは積極的に仕事をしているね、と。

その打ち合わせには参加していなかったので、後から情報共有をしてもらったときに冒頭の印象を持ってしまったのです。

それは、まとめた資料の内容について前提や考え方についていくつかまとめた資料だけでは理解できないことがあったため、前提や議論の範囲や方向性などを尋ねたら

「それはAさんの意見なのでわかりません」

という答えが返ってきたからです。

「(いやいや、あなたはその会議に出席していたのでしょう。積極的にメモを取っていたのなら議論している内容について理解していないとおかしいでしょう。でなければ、その会議になんのために出席していたのかな)」

下線部の前後は後付けですが、下線部分が最初に脳内で浮かんだフレーズで、前後は脳内の暗黙の文脈を言語化したものです。

その場でカタをつける

前述の会議の、その場で議論されたことが理解できていないとしたら、その会議の時間は単なる議事録取りででしか得たものはないのです。

会議の性質、フォーマルなものかインフォーマルなものかによりますがエンジニアが技術に関する会議の場で特段専門性を必要とする技術がテーマである訳でもない場合にはその場で理解できていないことはその場で解決しておかないと会議が終わった後にもう一度理解し直すために時間を使うことになります。まだ、調べれば良いのですが、往往にして調べる時間も取れなく、次第に忘れてしまうことの方が多いのです。

まあ、専門性の高い議論や自分の専門外の技術の話であれば話は別ですが。

手を抜くとツケが回る

会議の場で理解をしきらないでいる習慣をつけてしまうと議論の内容が実は後で自分に降りかかってくることだってあるのです。

その場でわからないことを聞くことをしないのはその場その場でわからないことを解決していくということに対して楽な方を選択しているのですが、実は手を抜いているのです。あとあとにツケが回るのですけど。

怖いのが技術についての理解の手抜きです。普段からの習慣がエンジニアなのに技術の理解をすることに対して楽という手抜きを続けているといつの日か何もできないエンジニアになってしまうのです。