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エンジニアはついつい自分の欲求に負けて仕事を増やすけど、それムリとムダだし

「ふーん、目次構成だね。おお、随分と細いね」
「あっ、ええ、このくらい具体化しておきたいと思って」
「でもさ、そこまでいらないよね、そのドキュメントとしては」
「そうなんですが」
「ひとついいかな。スケジュールがパツパツだって言っていたじゃない。今もそうなの。それとも追いついたの」
「いや、まだですけど」
「じゃあさ、書かなければならないことを先に書いて、時間があったら書いておきたいところまで書けば」
「ああ、そうですね…」
「全然、そうするつもりないでしょ」
「えへへ」
「終わるならいいけど、わざわざ自分の欲求を満たしたいだけで大変なルートを選ばなくてもいいでしょう」
「そう言われるとそうなんですが」
「そのやっていることは、『ムリ・ムダ・ムラ』の『ムリとムラ』だよ。まるでぐりとぐらみたいだ」
「音だけですね」
「音だけだけど」
「そこまで割り切って仕事するのはちょっと」
「あのさ、まずは期限内に契約の範囲内で最高のアウトプットをするのが専門家としてのエンジニアのイズムだと思うよ。今やっていることは自己満足のために時間を使っているように見受けられるけど。今やることは一旦、専門家としてアウトプットすることじゃないかな。そのあと揉まれるんだし」
「でもちゃんと作らないと手戻りが多くなりますし」
「早く出すのはそれで方向性を確認しながら進めるということなんだ。早く出す=小さくアウトプットしかできないから、手戻りが少なくて済むんだ。ちゃんとのちゃんとが定量的にどのくらいかわからないけれど掛けた期間が長ければ長いほど手戻りは増えるんだ」
「う…」
「あとさ、期限までにそのちゃんとというやつを本当に実現するためにどうしたらいいか、突き詰めて考えているか自分に問いかけてごらん。終わるのか、それもムリ、ムダなく」

 

離席して戻ってきた時にたまたま唸っていたメンバがいたので席の左側によって話しかけてみたら、どう考えてもレベルが次工程までを含めた目次を展開してドキュメントを作り掛けていたので声をかけてみたのでした。

唸りながらも楽しいんですよね、より詳細に仕様を書くことがエンジニアにとっては。でもですね、ドキュメントは扱う内容という決め事があるのです。ここまでを取り扱う、と。

工数の見積もりだって書く内容と分量を想定して見積もっているのですから、見積もり以上のことを自分が書きたいからと言って勝手に書かれてもコストもスケジュールもオーバーラン必至ですし、文書としてばらつきが出るので差し戻しです。

自分で書きたいことがあれば、次工程で手をあげればいいのですし忘れてしまうというならメモを残したらいいのです。

専門家として、エンジニアとしての責務を果たす方が先です。どうしてもやりたいのであれば、求められていることを終わらして、そのあとやればいいのです。終わらずして自分の欲求に負けるのはプロフェッショナリズムが欠けています。

 

 

 

コンサルタントの道具箱

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