働き方改革と換金する尺度

どこもかしこも働き方改革ですね。まあ、国が旗を振っているからですが。本来は長時間労働時間の削減から労働環境の改善を狙っているのでしょうから歓迎される活動であることは間違いありません。方向性を間違わなければ。

 

間違った方向

誰でも思いつくのは単純に労働時間の削減をトップダウンで指示することです。でも、

「それ精神論だよね」

と気づけば間違った働き方改革と距離を保って身の安全を確保できるでしょう。

 

働き方改革とは仕組みを変えること

です。仕組みとは業務の仕組み。仕事の仕方、ツール、これを変えないと改革になりません。

なぜなら、長時間労働という手段を捨てて、定時の枠の中で同じ成果を出す必要があるから。

同じやり方で時間だけ削って同じ成果が得られるなら、それは長時間分の残業代や自分の時間を無駄に消費しているだけです。

 

組織の価値観を変える

組織の制度、手続き、規則、決裁は組織の価値観を目視できる形式知として表現したものです。組織に属する人はその価値観に基づいて振舞うことを期待されているのです。

働き方改革の旗を振るまでは、長時間働くことが価値であり、評価の基準だったということを理解する必要があります。

それを変えなければ、働き方改革と言いつつも制度が変わらないので出来高でしか評価されないということになるのです。

書籍のjoy.incなどアジャイルな働き方をする企業での評価は仲間への貢献が入っているのは出来高が評価基準ではないことを示す例です。

 

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

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組織の評価基準と対価の関係

組織の文化として育まれてしまっている評価基準が何であるか。それはその評価基準により対価に変換されるのです。

例えば、長時間執務室にいてプログラムのコードを書いていると認識するから長時間労働をしている人を評価し昇給させるとしているなら、その組織の評価基準は長時間労働でしか換金できないということです。

 

換金する尺度を変える

これはその組織に属する人は、その組織で理解できる唯一の尺度がなんであるかを客観的に示しているということができます。そして、その尺度が対価に換金できる組織の仮想通貨なのです。

対価に換金できる尺度が何であるか。

これを出来高、時間から変えないと働き方改革にはならないのです。これまでの定量的な評価基準からタイムボックスの中でのパフォーマンスに変えられるかどうか。

そして何を換金する尺度に据えるのか。それを決め、制度や手続き、判断基準に置き替えなければ精神論だけが残り、メンタルダウンが増えるだけしょう。