資料作りはトップダウン志向の方が断然早い

ちょっと年次が上だと思う(同僚でも部下でも年齢とか全く興味がないので確かめてもいないで…)メンバにアサインした仕事がどうも怪しい。

 

状況証拠として、以前にも資料作成を任せたとき

 

「期待するようなイメージとは違うな」

 

と感じていましたが、出来上がった資料は、資料としての目的は達成していたのでそのままで通したんですね。だって、イメージと違うというのは感性の違いのようなものですから。細かく言えば、イメージも伝えていたけれど、伝え方を考えないといけないな、と思った方がちょっとばかり強かった、と思ったくらいで。

 

アサインした資料作りは企画の資料なので、企画の目的とか、達成したいこととかあるわけです。それで1回目の打ち合わせで関係者でざっくばらんに思いがある人は言いたいことを言って、じゃあ、ざっくりとできたらもう一度やりましょうとなって解散、と。

 

次回の日程を先に決めてしまったあと、デスクでなんとなく悶え唸っている感じなんですよ。なんとなく「嵌っているな」と分かる感じです。程なく、メンバから声を掛けてきたところは、さすがベテランです。抱え込まない程度に周りを巻き込もうとする。これはいいですよね。

 

「例の件、相談に乗って欲しい」

 

なんだかんだ、相談に来るまでに2−3日使っています。その間に作った資料で説明してくれるとのことなので最初は黙って見ていようと思ったのですが…。

 

構成から考える

企画の資料に関わらず、文書は伝えたいことがあります。要件なのか、仕様なのか、操作手順なのか、事故内容なのか。何かしら伝え、残したいことがあるから文書という形態で作成するのです。でなければ、口頭説明で済ませますから。

 

口頭説明だって、伝えようとする内容を相手に伝えたあとに相手の行動を変えようと思うなら、伝え方の順序や伝え方を考えます。そうしないと結局何の話をしたのか、相手も何をすれば良いのか明確でなくなってしまうからです。

 

文書の場合は、形にしながら伝える手段を作っていくことができます。文書で何をしようとするか頭に思い浮かぶまま形作るのは必ず手戻りが発生するのでいけません。

 

伝えようとすることは、話の持って行き方を考え、構成として表現しなければなりません。

 

エンジニアはボトムアップで構築してしまう

ざっくばらんに話をしたときに好き勝手に話すものだから、枝葉末節なことや具体的な例でイメージアップします。これはこれでいいのです。ただ、企画の文書にはそうした具体的なイメージは出すタイミングがあります。でもその前に骨格、シナリオを作らねばなりません。

 

エンジニアに任せると得てして多いいのは、具体的な事象とか製品とか諸元とか

 

「詳細設計しているの?」

 

と聞きたくなるような資料作りです。相談に乗って欲しいと会議室に誘われたときに作りかけの資料も同じでした。

 

いいから図を描け

ボトムアップで考えていく人は、文章を多用します。結局、言葉はその言葉の意味を持っている人により意味合いが変わって来るので初見で同じイメージを複数のメンバで持つことはできません(キッパリ)。

 

企画や上流の場合、順次詳細化は企画や上流の下工程でやることです。今やらなければならないことは、企画の資料を作ることです。

 

どうしていいかわからないときは、まずは頭に浮かぶことを全部、手書きで、イラストにすることです。

 

企画なら、仔細なことを考えるのは企画案の検証と事例を挙げるときだけで十分です。ホワイトボードに1人でブレスとするようにイラストを描いて自分に向かってイメージアップしろよ、です。

 

目的、範囲、方針、規模感、日程感

構成を考えるというとなんだか難しいですが、標題の5つを目次にしてそれを必要に応じて、ちょっとだけイメージできるページをつければいいのです。

 

・目的は、なぜそれをやるのか
・範囲は、どの世界の中で境界線を引いて対象範囲とするか
・方針は、考え方で後々の行動基準になるものです
・規模感は、必要なリソースのざっくりしたもので、3人で半年とかそんなイメージです
・日程感は、平たく言えばスケジュールですが四半期程度でレベル1くらいの作業が記載したようなものです

 

なぜこれを作らないといけないのか。相談にきたメンバが持ってきた資料の説明の出だしで聞いたのはこれです。

 

「なぜそれをやるの」

 

やれと言ったから、ではダメです。それでは、仕事が進んだ後に声の大きな少数の人達に振り回されます。一番最初に、こうした全体の考え方を握って、何かあったら立ちもどれる場所を作っておくのです。

 

そしてこうした考え方で進めていて後々都合が悪くなったとき、考え方のパラメータを調整するだけでほとんどのことは吸収できます。

 

これをボトムアップで作るものから、詳細な事例から積み上げていったらいつになっても範囲も決まりませんし、全容にたどり着きませんから、穴が開いた状態でものを考えるようなものです。

 

ということで、資料作りはトップダウン志向でざっくり方針ぎめすればたたき台作りなんて1日もかかりません。まあ、コンセプト作りは別に時間が必要ですけど。