成功しているチームを分析すると金の卵もチームも失う

 すっかりアジャイルもvsウォーターフォールから組織論に遷移しているので成熟度が上がってきたなとか、バズワードから実践に裾野が広がってきた感がありますね。

まあ、別にウォーターフォールは必ずしも失敗するシステム開発手法というわけでもなくて、プロジェクトに適したシステム開発手法を選び(ここ大事)、制約事項や前提条件を実現できるツールとテクニックを選定して、あとはチームのマインドセットをいかに維持するかチームの運営をすればいいのです。

すればね。

間違っていけないのは、プロジェクトの目的を達成するために適した手法や手段を選んでいるのか、というところです。そんなの単なる道具なのでチームが選択すれば良いです。

マネージャ、成功しているチームを見つける

どこの組織でも1つくらいは上手にチームを運営して、立てたプロジェクトの計画を無理、無駄なく遂行しているチームはあるものです(そう信じたい)。10人いたら1人か2人くらいは、そういう人がいるでしょうし(いて欲しい)。

システム開発もお仕事なので大変なのですが、大変なのと大変にさせられるのとは違います。大変なのだとしても、計画を立て、実績から見通しをつけ、先行きが想定できるようなプロジェクトの推進が出来ていれば頑張れます。

外野からあれこれ言われて大変にさせられるのは、自分の仕事じゃないのです。予めわかっている面倒ごと、組織の中のプロセスレビューや工程管理、コスト管理などのプロジェクトレビューは、そのプロジェクトが始まる前から認識しているので織りこめますが、それはあくまでもプロジェクトチームの対外的な外の話です。チームの中に介入されるのであれば話は違います。

得てして、成功しているチームは自分が関与していない上司に限って上に自慢をするのです。

PMO、成功しているチームを分析する

経営者まで自慢が届くと、経営者はそのチームが上手に出来ているなら組織の中に同じやり方を広めよう、と思いついたように指示します。

そりゃそうです。経営者の仕事は儲けるための仕事をするのですから。

そうするとPMOとか品質管理の部門や担当が出てきて成功しているチームにあれこれと聞き取りを始めます。

ただ、どうしてそれでそのチームが上手に運営出来ているのか理解できません。なぜなら、PMOや品質管理の部門は、そのチームのやり方とは違う(従来の)組織の価値観で行動を決定しているからです。

PMOや品質管理の部門は、理解できないので自分たちのメジャー(価値判断)を成功しているチームがなぜ上手に運営しているかを調べようとします。従来のプロセス、従来の価値観にそった情報提供を求めます。それは上手に運営しているチームには必要のないことです。

成功していたチーム、消滅する

上手に運営していたチームは本来やりたいプロジェクトの進捗を遮られ、よくわからない会議に呼ばれたり、何に使うかわからない資料を作成に時間を取られるようになります。

そのうち、嫌気のさしたメンバが1人抜け、2人抜けするようになります。そして…。

 

しなければならなかったのは、従来の価値観に基づく分析ではありません。成功しているチームが行動する際に何を行動の基準としていたかを知り、それに基づいた組織のプロセス設計をし直すことが一つ。

もう1つは、成功していたチームをマスターとして次のチームを育てることです。