チームの成長はロールの成長を優先しなければならない理由

某所で「マネージャのミッションが売り上げからチームの成長にシフトすればチームメンバの成長にフォーカスしたアクティビティに変わるのでは」という問いかけがあって、「(うーん、それ10年前からやってたよ)」と内心思ったけれどそれいうと話がクローズしちゃうんで言いませんでした。はい。

ところで、マネージャのミッションに売り上げがあるということは、その組織では製販一体(営業機能と開発機能が同一の組織体)の組織であるという前提が暗黙にあるんだな、とまずそこから確認したいところです。組織によっては、製販分離している体制を構築しているところもあるでしょうし。

体制はともかく、マネージャのミッションが売り上げの呪縛から逃れ、チームの成長にシフトすることはどの様な意味を持つのでしょうか。

チームの成長とは何か

チームの成長とは何でしょうか。思いついたことを書き出してみましょう。

どうでしょうか。チームメンバのスキルが向上すること、とか書きましたか。他にはありませんか。広くカバーする表現としてはそれでいいと思います。ただ、誰がとか、どの領域でとかもう少し明確にした方が良いと思いますのでそれを少し。

スキルの向上

 チームメンバの一人ひとりが持っているスキルレベルの向上が1つ目です。プログラミングの技術レベルをあげるとか、新しい適用技術を習得し実践で使える様になる、などです。

ロール

 多分、多くの方はエンジニアの技術レベルを思い浮かべてスキルアップを想像したことと思います。

別の観点では、ロール、つまり役割をステップアップすることもチームメンバの成長なのです。担当エンジニアからサブリーダに、サブリーダからリーダに、リーダからプロジェクトマネージャに、と役割をステップアップすることも成長なのです。

スキルアップとロールのどちらを重要か

基本的にはスキルレベルの成長とロールの成長は両輪です。片方だけ成長しても行き詰まります。

例えば、同じチームメンバがそれぞれの領域でスキルアップをしたり、技術領域を広げたとしても全体のスキルレベルは向上し、成長していますが、それは技術の中だけの話です。技術レベルが上がって成長しているので提供できる技術的な価値は向上していますが、その技術を提供できるパイプラインは増えません。

別の例えをするなら、継続的イノベーションで機能追加している様なものです。なので、技術スキルばかり成長を促してもそのうち行き詰まるのです。何が行き詰まるかといえば、いくらスキルレベルを成長してもチームの役割はチーム最適を優先するとローエうが固定化されるのでスキルの成長以外は停滞するのです。

そこに変化を与えるのはロールなのです。

ロールを成長させる

 チームのロールを成長させるとは、メンバの役割をステップアップさせることだと前述しました。

ロールをステップアップさせる、成長させるということは、必然的に配置転換をチーム内で起こすという意味を持つのです。メンバのエンジニアを安泰とさせない、刺激を与え、期待、つまり、マネジメントは新しいロールへ挑戦して技術以外のスキルを成長させて欲しいというメッセージを伝えることができるのです。

リーダが変わるとその人に属した性質が行動様式として表現されるのでチームの多様化が生まれます。こうした変化を自ら起こしていくことがロールを成長させることで可能となるのです。

 

 

マネージャ的には、ロールの成長は価値提供のパイプラインを増設することと同じ意味合いを持ちます。つまり、ビジネスの幅を受けられるパイをつくれるということで、結果的には数字を支えるリソースを持てる様になるということなのですけれど。