これが必要なエンジニアにはこれが届かない

仕事って、ここまではやっておかないと、という矜持というかismを持っていないとせっかく仕事をしていても「やっつけ仕事」にしか見えないんですよ。

そういうやり方をしている人の仕事は、作業の途中で必ず文句を言う割には自分の考えを周りに押し付ける一方で周りを全く見ていないんですよねぇ。

人は、エンジニアは特にオペレーションではなく、その人が持っている経験と知識に基づいて創作的な物作りをしなければならない作業が含まれています。そうした仕事は、1人では完結しないので必ず周囲を巻き込まないと仕事にならないんです。

 

こうした仕事のやり方をしている人がいると誰が困るかと言えば、巻き込まれた周囲です。もちろん、そんな仕事をしてれば、それを見ているマネージャはそう言う人は評価しないものです。

もし、次のような症状が現れていたら、困ったエンジニアなのかもしれません。

 

忙しい、時間がないと言う

 このフレーズを使うエンジニアは全体を考えて進められないエンジニアです。こうしたエンジニアのアウトプットは考えられてないので成果物の出来が甘いです。

目の前にあるタスクを処理するだけのオペレータなのです。情報を寄越せと言って、情報をステープラで綴じているだけ。

全体の枠組みを考え、巻き込む周囲の負担を最小限にして且つ自分が必要とする情報を必要とするタイミングで手に入れる。

そうした考え方ができないので、納期とやらないといけないことだけを気にして納期に合わせて仕事をするから、巻き込まれた方は堪らないのです。そんなことをされれば巻き込まれた周囲は文句を言うのは当然です。

でも、当のエンジニアはそれに気づかない。

 

周りの意見をやらない壁を作って耳を貸さない

仕事ですから、巻き込まれた周囲は協力しようと思っても、何せ全体の枠組みや作業の目的など肝心なところを示されないので、作業で何をすればいいのかさっぱり理解できません。

当然、こうした方がいいよとか、もう少し説明して欲しいと要求します。当たり前ですね。特に、巻き込まれる方が所属する組織が違うと、その人の後ろに何人もいることになります。その中には巻き込まれているマネージャも含まれます。仕事で巻き込まれている以上、マネージャに報告すれば、リソースの権限を持っているマネージャは、本業の方の作業をして欲しいですから、どうしてその作業が必要か理解しておきたくなるものです。

さて、巻き込まれた方は説明できるでしょうか。

無理なんですよ。全体の枠組みや目的を理解できるように説明もされないし、資料も行間が多い不十分な出来なのですから。

そういった事態になるとどうなるかと言うと、巻き込まれた方のマネージャが巻き込まれた人に情報を聞いてこいというわけです。そうしないと判断つかないから協力していいとは言えない、と。

 

だから、情報を提供して欲しいとか、進め方のアドバイスをしたりとか、それに業をにやすと文句を言うことになるんです。

 

ここまで自体が進展してしまうと、所謂拗れた事態になっているわけですが、じゃあ、拗らせた一番最初の原因を作っているエンジニアはどうかと言えば、

  • 協力を依頼しても文句を言われる
  • あれこれ資料を提示しろと要求される
  • 会議の場で説明したのだからやるのは当然

など、この状態になっているのはさも他責であると言うわけです。

でも、この状態になった当事者であるエンジニアは、周囲の言葉の真意を読み解くことができているのでしょうか。

もし心当たりがあるなら

もし、自分の行動に重なるところがあるとしたら、次のことを自分に向けて問いかけて見てはどうでしょうか。

  • 巻き込んでいる周囲の振る舞いは、自分の行為の鏡かもしれない
  • 文句に聞こえるのは、自分自身の不作為を突かれているからかもしれない
  • 今の成果は専門家としてのismになっていないかもしれない

今、思うように仕事が進んでいないのに、同じ進め方を続けて上手くでしょうか。何かを変える時期なのではないでしょうか。

 

でもこれが必要なエンジニアにはこれが届かない。

 

 

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
  • この商品を含むブログ (418件) を見る