8時間20日160時間作業に当てているエンジニアはイノベーティブになれない

従来型のウォーターフォールシステム開発手法のエンジニアから見たら、今風のアジャイル開発でのシステム開発手法を取るプロジェクトのエンジニアは平日の昼間からカンファレンスに行ったり、週末も勉強会に行っていることに対して不思議だと思っているのはないか、と思うわけです。

どちらがホームグラウンドかと聞かれれば、ウォーターフォール型のシステム開発手法を開発手法としたプロジェクトマネジメントの経験が多いので、日中は座席にずっと座っているか会議をしている方の位置から眺め直すとアジャイルなエンジニアの働き方というか、時間の使い方はとても異質に感じると言われても違和感は感じないのです(もともとそっち側だったし)が、今は違うな、と。

そして、今の方がとてもイノベーティブというかクリエーターな働き方をしていると思わなくもない、つまり、そう思っているよ、ということです。

昨日1日何をしたか 

昨日は全世界的に月曜日でした。代休でもなければ働いていたでしょう。ワタシも同じです。

ここで、思い出して欲しいのです。1時間単位のざっくりとした感じで良いので、昨日1日何をしたか思い出してください。

会議、資料書き、コーディング、テスト、レビュー、メール、チャット、sns…何をしてましたか。

会議を除けば、全部、コーティングとか資料作成とかで、全部埋まってしまっていたのではないでしょうか。

そのしていた仕事は、担当することになっていて、ただ、アウトプットを作るためだけに「作業」をしていませんでしたか。

 

どうでしょうか。そう言われればその通りではありませんか。

 

その仕事って、処理をしていただけではありませんか。

 

1日を全部作業で埋めない

もし、 1日の働く時間を全部作業で埋めてしまっていたら、一体、どこで新しい技術を学んだり、プラクティスを見聞きしたりするのでしょう。

エンジニアが持っているスキルとスキルレベルの成分は、経験知と形式知で構成されるものです。

 

スキル+スキルレベル=経験知+形式知

 

経験知は、エンジニア自身が経験しなければ広げることも深めることもできません。それをできるようにするのは他所から持ってくる形式知だけです。

ではどうしたらそうすることができるようになるか。それはエンジニア自身が外に出て自ら手に入れる他ありません。

であるとすれば、1日の労働時間を全部作業で埋めてしまっていては手に入れようがないじゃないですか。

8時間に試す時間を潜り込ませる

アジャイルなエンジニアが昼間から外に出てカンファレンスに行っていることを僻んでも、羨んでも8時間を全部作業で埋めてしまっているエンジニアに何もリターンはありません。

しなければならないのは、作業以外のことを試す時間を創出することです。

これは誰かがしてくれることではなくて、エンジニア自身が自分で自分のためにしなければならないことです。 

そして、その試す時間は、8時間の中で作らないと意味がありません。なぜなら、実戦で使えるかどうかの検証と試行錯誤ができないからです。

一度も使わない、使われない形式知は知識の不良在庫なので。少なくともエンジニア自身が気になったのだから、自分の範疇でお試しくらいはしておかないと。

間違っても平日夜や週末をあてにしないこと。それは、8時間でお試しするネタを仕入れたり、情報共有するために使うのです。

隙間がいっぱい

ウォーターフォール型のシステム開発だと8時間20日160時間全部プロジェクトに売ってしまっているのでそんなことはできなと思っていたら、それは違うんじゃないかなと思うのですけれど。

まあ、デスマならそうかもしれませんが。

デスマでなければ、ウォーターフォール型のシステム開発はタスクごとにスラックがあるのでそうした作業ごとに隙間の時間が隠れている、いやエンジニア自身が隠しているのですよ。

で、全部、作業に当ててしまっているんです。でもその時間を紐解けば、生産的でない作業をしてる方が多いんです。

それをわざわざ誰かに言う必要はありませんが、だったら、試す時間に使った方がいいんじゃありませんか。

 

あなたがそのプロジェクトを終わったときに、ちょっとだけイノベーティブな価値を増やしておくために。

 

 

 

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