CEOの思いが思いどおりに現場に届いているかを可視化する方法

イノベーションへの解に組織が取っているイノベーションの施策が、継続的イノベーション創発イノベーションかに振り分けるチャートがあります。

このチャートを使って、組織の理念、wayなどの行動規範で表される組織の価値感である価値基準から現場に降りてくるタスクまでをプロットすることで、トップの思いがどこまで意図したまま届いているかを可視化することができるのです。

 

 

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どういうことかというと、チャートの本来の使い方をするだけで迷いなくプロットできればトップの思いが現場まで届いていると判断して良いですし、様々な施策をプロットする際にどこに配置すれば良いかを迷うなら、その施策はトップと現場の間のどこかの中間管理職のレイヤーでトップの思いが減衰し、捻じ曲げられているという判断ができるからです。

 

施策をプロットする際に、施策を上下で分けて配置してください。チャート自体がもともと継続的なイノベーション創発イノベーションに分けるようにデザインされているので。 

 

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上の水色には継続的イノベーションの施策を配置します。下のピンク色には創発的なイノベーションの施策を配置します。

 

施策がイノベーションかどうかはきにすることなく、組織の中期、年次の事業計画、全社共通の施策、部門の施策、部署の施策が現状のビジネスの延長線上だと思ったら、上のどこかの箱に配置します。

 

組織が意図的に、明示的に創発イノベーションと言っていなければほとんどは継続的なイノベーションになるので。

 

検証したいことは、トップの思いがどこかの中間管理職のレイヤーで手段が目的化として変質してしまっていることを明らかにすることです。

 

なぜ、中間管理職のレイヤーで手段が目的化してしまうのか。それは、中間管理職が無能…いや、マネージャを担っているはずなのにオペレータに劣化しているからです。当の中間管理職としては楽ですからね。オペレータを演じるのは。そしてそうなってしまうのは、その組織の意思決定の判断基準が組織の文化として深く浸透していることに起因するのです。

 

だから、トップがいくら組織を変えたいと思いを込めてメッセージしても過去から積み上げ、組織のワークフローに染み付いてしまった価値観を変えることはトップ自身ができないというトラップに嵌ってしまっているのです。

 

もし変えるとするならば、変えたい、メッセージとして伝えたことを中核となる事業部門のミドルを総入れ替えするか、全く別の組織を別立てとしてそこにメッセージを推進する少数精鋭のリソースを投下し、トップの直下に置くことが必要です。

 

 

イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)