あなたの技術料はおいくらですか

このエントリを読みつつ思い浮かべていたのは、エンジニアで自分の技術料をどのくらいで売りたいかとか、それより以前の話で値付けをできる人がほとんどいないのではないかと思うのですがそんなことはないでしょうかね。

 

↓の無償、有償の話とは違う、エンジニアの値付けの話なのですので。

 

note103.hatenablog.com

 

エンジニアの労務単価も JIS 単価 労務 - Google 検索 と同じように決まりがあれば誰も悩みはしないのですが、端的に言えばそれがないのでエンジニアが持っている技術料の価格設定をエンジニア自身は知らないし、知ろうともしないし、値付けをした経験もないわけです。

多くのエンジニアは良くも悪くもエンジニアの技術料を売るのは営業で、職種で販売と供給を分離していることがエンジニア自身の技術料をエンジニア自身が知らないし、売る技術料の価値の評価方法を誰も知らないから人月という拘束時間で人売りが生じるわけです。人月商売の話を今回はするつもりはないので、それは過去のエントリを検索してもらうかまた次の機会に。

あなたの技術料を教えてください

と言われたら何をいくらと答えますか。

ほとんどのエンジニアは回答に窮するのではないかなぁと思うのですが。答えらるエンジニアは転職の経験があって転職エージェントが年収いくらといったから、とか、提案で自社の人月単価を知っているからくらいなのではと思うのです。

なので、技術料でいくら、という値付けは答えられない、と。

これがサービスを提供している個人事業主のエンジニアになると提供するサービスに値付けをしているからこのサービスならいくら、とすぐに答えることができます。

やはり、売るものを持っていると提供する技術料の値付けを自分でやっているからある意味強いです。

安く値付けてしまう

 事業として売り物を持っていると売るまでや売った後のかかるコストを知っているのでそのコストに利益を乗せて売ればいいという理屈を知っていますし、実際にかかるコストが雑多でそのぶんを確実に回収しないとビジネスとして回らないので回収できる値付けをしてきます。

こうした技術料を提示するまでに必要となるコスト構造を知っているか知らないかでトンチンカンな値付けをしてしまったり、売ってはいけない価格で受注してしまうことが起きているわけです。

市場価値・コスト・提供する技術

市場価値についてもなんとはなく、買い手の希望である、-そりゃそうです、いくら売り手が値段をつけても買い手がいなければ商売は成立しないで-、と思っているのでそういう値段であることだと理解した上で、いくらくらいで自分が売れるのかというのは知っておく方がいいです。

ただ、そうした市場価値は年収というざっくりしたものですから技術料にするならまた別の価格設定の考え方が必要となります。

 

市場価値でも技術料でもコストを賄えなければ売る意味がないのでコストにどれだけかかるかを理解しておかないと手に入れられるはずの利益が飛んでしまうのでこうしたコスト構造を知っておく必要があります。提供する技術料に直接かかる費用については視界に入り安いので意識されますが、社会保障制度の費用や税金は間接的にかかる費用なのですが確実に持っていかれるので忘れてはいけない課目です。

 

提供する技術は、まあ専門家としてこれが専門技術だと言えればいいです。ただ、売りたい技術に買い手がつくと思っていたら痛い目にあいますよ。それに技術がコモデティ化すると技術料が沈下していくし、競合が勝手に価格競争を始めるので何を売るかは考えながら売らないといけないし、当たり前ですが独占し続けられなければ技術更新は欠かせないです。それもまたコストがかかのでる。

 

価格の値付けを知るための副業

 色々とエンジニアの副業は取り上げられていますが、副業とはせずに、税務上、雑所得として申告することを本業とは別にすることをオススメします。

書籍の執筆もそうですし、アプリを作ってリリースするのもそうです。びっくりするくらい増刷やダンロードされれば別な話ですが、そんなことはまずないので心配せずに、エンジニアとして作る技術料の値付けを実践するためにやりましょう。

 

やってみるとわかりますがコスト構造を知っていて、それに見合う対価を確保することを考えるようになると安く売ることがどれだけ何も考えずに取引しているか、楽をして商売をすることでその先のエンジニアの首を絞めていくかがよくわかりますし、エンジニア自身が技術の更新をしないと欲しい価格が得られずコストも賄えないことが身を以て経験できるのです。

 

さて、あなたの技術料はおいくらですか。