PMとSEの間で欠落しているのは何で余計なのは何か

エンジニアはエンジニアのスキルとスキルを活かす自由を持っています。言い方を変えれば、エンジニア自身がどのようなスキルを身につけるかはエンジニア自身に委ねられていますし、スキルを身につけるスキルの程度はエンジニアに依存します。卓越したスキルを持っていてもそのスキルを活かすかどうかもエンジニア次第です。

そうなんですよね、システムの仕様を具体化して、仕様を実装するのはエンジニア次第なんです。

そのエンジニアがエンジニア自身でどのようなスキルを身につけようかを考えたり、身につけたスキルをどのくらいまで向上させたりと考え、実際の行動に移すかやめてしまうかもエンジニアがどう考えるかに依存します。さらに言えば、そうして身につけたスキルを持っているスキルのどのくらい(持っているスキルを100としたときに発揮しようとする度合い)活用しよかと決めるかは、エンジニアがアサイメントされるプロジェクトのリーダであるプロジェクトマネージャとの間にエンジニアの行動基準をどれだけ受けれられるか、若しくはプロジェクトマネージャの行動基準がエンジニアにとってどの程度受けれられるかに影響されるのです。

プロジェクトの中では権限分掌の観点から最小で二つの役割が存在します。一つはプロジェクトマネージャというリーダの役割。二つ目はシステムを実現するメンバの役割。この二つの役割に応じた意思決定の権限と責任が割り当てられます。プロジェクトマネージャにはプロジェクト全体の責任に応じたプロジェクト全体に掛かる意思決定の権限を持ち合わせます。メンバには担当するシステムに対する実現の責任と実現方法の権限を持ちます。これらのロールと責務には上下関係の関連はなく、役割分担をしているという関係だけで紐づけられているところを権限だけで上下関係に関連づけてはいけません。

お仕事でプロジェクトマネージャとエンジニアの役割を分担しているのですからそれぞれの役割をそれぞれの責務の範囲で履行さえすればプロジェクトに起きる外的な進捗の障害はプロジェクトマネージャが内的な進捗の阻害要因の除去はエンジニアが担い、解消すればプロジェクトは完了します。

ところが現実にはそうならないのは、プロジェクトマネージャとエンジニアの間に存在しなければならない何かが欠落しているか何かが余計だからです。

欠落しているのは何で余計なのは何か。

 

役割分担でバウンダリを明確にしてプロジェクトマネージャとエンジニアの境界に隙間がなければ欠落しているものはプロジェクトマネージャとエンジニアの外周にある外界との隙間になります。その外周と外界も接しているとすればやはり埋まっているように見えるプロジェクトマネージャとエンジニアのバウンダリの間に実は接しきれない欠落している何かがあるということになります。

何だろう。

一方の余計なものがプロジェクトマネージャとエンジニアのどちらかか双方にあって阻害するものがあるとしたら何だろう。

冒頭でエンジニアにはスキルを身につけることもスキルのレベルをどの程度にまで向上することをできる自由を持っているとしました。これは真理でもあると思います。実際の現場でアサイメントされたプロジェクトで同じロールで担当が機能違いのエンジニアがいた場合、そのエンジニアたちが同等のスキルとスキルレベルをプロジェクトが終わったときまでにOJTを介して備えているかと言えば、そんなことは全くあり得ないことは現場のエンジニア自身が良く理解していることだと思うのです。

やるかどうかはエンジニアの自由に委ねられているということです。

その自由はさらにプロジェクトの中でプロジェクトマネージャとの関係で持ち合わせるスキルをどの程度発揮するかは無意識か意識的にを問わずに何かしらのバイアスから影響を受けているのです。

そのバイアスを掛けているのはエンジニア自身の感情に由来するエゴです。エゴは感情そのものと言っても良いかもしれません。このエゴにより知らず知らずにエンジニアはスキルの発揮にブレーキを踏んでいるのです。それは感情が引き金となって。

では、プロジェクトマネージャとエンジニアの間に欠落しているものは何でしょうか。エゴや感情ではない何かが欠落していることにより引き起こされているとしたら、それは解消することでプロジェクトの進捗を阻害する要因を除去することができるということになります。

それはプロジェクトマネージャもエンジニアも双方の内心で囁く小さな自分自身の声であり、思いです。この声はそれぞれの立場で期待される貢献を理解し、それを実現するために何をすれば良いかを理解し、出来ること出来ないことを明らかにすることにより小さな声はしっかりと明確な意思として認識できるようになります。認識できるかどうかが感情で支配されるエゴを牽制し、本来プロジェクトマネージャやエンジニアとして取ることを期待される行動を選ぶように作用します。その意思を醸成できるかどうかはプロジェクトチームの目的やプロジェクトマネージャの行動規範に対して自己のエゴよりそれを優先してでも行うことに対して価値を見いだすことが出来るかどうかに掛かっています。

結局、プロジェクトの進捗を阻害する内的要因はプロジェクトマネージャとエンジニアの各々のエゴよりチームとしてプロジェクトを進めようと思える共通の価値観に基づいているかどうかで大きく左右されるのです。

 

行動経済学まんが ヘンテコノミクス

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