VPoEとマネージャのどちらを置くべきか

昼間の気温が高くなったその日も帳が降りる時刻になれば、一枚羽織っておきたいくらいの涼しさになった。そそくさと引き戸を開けて会合に落ち合う。

しばらくしてから、斜向かい方がCTOとVPoEについて話を切り出した。ううん、CTOね、企業の技術責任者だったかな。役員の技監だな、と思いつつVPoEってなんだっけと記憶力が怪しくなった頭をひねる。

 

マネジメント責任者(VPoE)
メンバーの採用から育成、組織形態の設計を通じて、人の生産性とその成長を最大化する。

引用 

tech.gunosy.io

 

話の流れがVPoEにたどり着いたとき、そうだったと思い出す。

持論的には、VPoEはマネージャの仕事である。ただ、企業の規模と成熟度で階層構造を取らないこともある。そうすると何が起きるかというと、マネージャ業のうち、エンジニアの育成に関連する業務がCEOなどのエグゼクティブにお鉢が回っていく。

そうなって当然である。組織にマネジメントが不在であれば、組織はフラットの形を取らざるを得ない。その形態でメンバにエンジニアの育成関連の業務を移譲しようにも受け止められるキャパシティはない。

結局、CEOなりにお鉢が回っていく。CEOはエンジニアの育成よりビジネスで死なない方の優先順位が高いはずだが、VPoEの役割もしないとエンジニアが離れてしまう。

 

であれば、マネージャを置けばいいのかというとたかだか1段階の階層が増えるだけでも伝言ゲームによるメッセージの理解の伝搬に伴う情報の劣化と歪曲(最悪の場合)が生じる。組織がスタートアップなら生き延びれなくなってしまうかもしれない。

何しろ、マネージャの仕事っぷりもマネージャ次第である。ITに関わるマネージャ全てがエンジニアの育成について長けたコンピテンシを持っているわけではない。下手なマネージャを置けば、返って組織の中がおかしくなりかねない。

そんなことを思いながら話を聞いていると割と考え方が近くて面白いなと思う。それにVPoEの肩書きで仕事をするのも面白そうだと。

声が掛かれば考えてしまうかもしれない。まあ、酔ったせいなのだろう。

 

 

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