アジャイル開発だからじゃない。プロジェクトだから今、技術がないとリスクになる

「こんにちは」
「お、珍しい。今、プロジェクトで別のプロジェクトルームじゃなかったけ」
「そうですよ。地下鉄の側なので便利でいいですよ」
「都会だしな。毎日通勤帰りに寄り道しているんじゃないの」
「そーだったらいいんですけどね。もう、ほんと勘弁して欲しい」
「ちょうどいいや。コーヒーでも飲みに行く時間あるだろ」
「じゃあ、お・ご・り・で」
「最初からそれがお目当のクセに」

 

「それで」
「へ」
「いや、都会まで痛勤して洒落たお店にも寄れずに家からプロジェクトルームまで往復しているんだろ。どうした」
アジャイル開発じゃないですか。プロジェクトが」
「そうだったっけ。なんのプロジェクトだっけ」
「今までオンプレで提供していたサービスにWebサービスでアドオンするヤツですよ」
「それか。あまり知らないけどな」
「それはいいんですけど。アジャイル開発経験したことがないメンバがいて、どうやってもウォーターフォールに持っていこうとするんですよ」
「なにそれ」
「リーダ役がいるんですけど、営業がこの機能が必要だからとか言い始めるとそれを入れようとするし」
「教育してやれ」
「メンバもアジャイル未経験のエンジニアもいれば、Webサービスの技術をあまり持っていないメンバもいるし。メンバの面倒見ているから自分の仕事を始めるのが夕方からですし」


「不思議だな。プロジェクトチームを組むときはさ、プロジェクトの目的を達成するために必要なスキルセットをチームとして持ち合わせていないとダメじゃん。プロジェクト内教育が計画されているならまだしも。でも、それも最初は先生役が必要だしな」
「そうなんですよ、それが全部こっちに回ってくるんです」
「たまに聞くけどさ、アジャイルだから技術が必要なんじゃないんだよ。ウォーターフォールだって同じ。同じことを繰り返して言うけど、プロジェクトの目的を達成するために必要なスキルとスキルレベルがないとそれ自体がリスク。アジャイルだからじゃないんだよ。期限のあるプロジェクトだから必要なんだよ」
「なんかそう言うのわかっている人がチームでいるのかな」
「前にも話したかもしれないけれどさ、自分のミッションを最優先にすることも必要なんだよ。プロジェクトの貢献としてさ。スクラムマスター役なりリーダ役なりがいるんだろう。そいつに選ばせればいいんだけどな。でも、今のキミは両方やっているわけだ」
「まあ、そういうことになりますね」
「それはさ、見積もり的にもおかしいし、作業計画的にもおかしい。作業を始める前に全員で作業のスコープやら、どんな作業をするかとか、ゴールを設定するときに必要なスキルとスキルレベルを確認するようにしたら」
「でも、それをしてもスキルが足らないメンバは進捗しないですよ」
「学習しながらやってもらうスケジュールを許容するか、入れ替えするんだよ。そのときに、キミのフォローがいるなら、キミの作業も織り込んだ作業見積もりにするか、そうだな、キミの作業時間はプールしておいて、そこからリーダがサポート用に引き出す方式にしたらいい。毎月120時間から始めて、メンバのサーポートをする前に差っ引いて行く。様子を見ながら自分で残り時間でできそうなチケットを取るか、先のことをやっておく」
「時間を可視化するんですか。へー、面白いですね」
「やっていることは大したことじゃないけどね」
「それ面白いですね。それやろうっと。さずが先輩ですね」
「珍しい。褒められた。雨でも降るか」
「ひどいので取り消しです。順調にいったらご飯奢ってもらいますので。ではー」

 

 

 

基礎から学ぶ Vue.js

基礎から学ぶ Vue.js