梲が上がらない中堅エンジニアの生存戦略

タイトルだけを読んで、氷河期世代のことを言っているのかとおもった(何分、不幸のオンパレードの象徴のように扱われている)が、よく良く読むと、90年前半の世代(平成一桁前半)なのだろう。

 

バブル期後半の大量採用組や人口の多い「団塊ジュニア」が40代に当たるが、管理職ポストに限りがあり、部長や課長への昇進が全体的に遅れていることが背景にある

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 40代で課長職級に上がれていないのは結構辛いのではないか。まあ、仕事の責任範囲が担当職かサブリーダクラスでいいよというエンジニアは忙しければ残業手当もつくだろうからそこそこ安定していると当の本人は思っているかもしれない。

本当に辛くなるのはアラフィフのゾーンに入ってからだ。

所属する組織の構造を見ればCEOを長としてピラミッド構造を取っているだろう。最近のWebサービスを提供しているような組織だとフラットな組織構造を取っているケースもあるかもしれない。ただ、実態は何かしらのロールを持たされる組織のリーダが存在するものだ。

そうした組織の構造を、例えば組織表のようなものがあるとすれば、それを眺めると組織のポジションの人数を数えることができる。大雑把な捉え方は管理職か一般職か。細分化すれば役職ごとのレイヤとなる。それらの人数がいわゆるポジションだ。こうしたポジションは、事業が増えない限りそうそう増えることはなく、世代交代か事業場の評価で交代するのが流動性の起因だろう。

そこのポジションに割り込むか、専門技術のエキスパートとして別枠を確保する必要がある。

 

どちらで場所取りをするにしても、共通項としてのコンピテンシが求められる。それは、これまでのエントリで書いてきた二つのスキルのうち基礎スキルと読んでいる領域である。このスキル領域はその人の人柄に直結する。

例えばビジネスニーズを拾うとか、システム企画に携われるとか、メンバのメンタリングやチームビルディングなどの難易度の高そうなイメージを持つコンピテンシだ。

これらのキーワードで無理だと日和ってはいけない。いずれにしろ必要なスキルだし、そうしたスキルを身につければ今のサブリーダの仕事だって何倍も楽になる。

ビジネスニーズは顧客が困っていることの解決方法を探すことでも良いし、システム企画は業務課題のアプローチの仕方の仮説の組み立てなどがあるとすると、これらに共通することがある。

それは、現実に起きている課題を抽象化したり、抽象化した概念を確かめる仮説検証をモデル化するスキルだ。これを身につけるととてもいい。

顧客の要望が定まらないところでも使えるし、仕様の良し悪しを整理するときにも使える。こうした抽象化するスキルが必要なのは、担当エンジニアよりは、よりビジネスに近いところで必要となるのだ。

もう一度組織構造を見てみよう。レイヤを上がれば上がるだけ抽象化スキルが必要になるのだ。

 

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