ツイートへのアンサー、若しくは、PMBOKのお勉強

昨日、こんなことを呟いた。そうしたらリプをいただいた。

 

 

『知っていることとだいぶ違う』あたりに反応いただいだのだろうか。

すこぶる、恐縮である。

最初にお断りをしておきたいことに、正しいとか誤っているとかを述べてはいない。自分とは違う見識をお持ちなので、そう言った違いを知ることは、ついつい、一つの視点からしか見ないことが多い中で、違う視点を知ることは勉強になるのである。

(多分)私よりお若い方だと思われる(想像)が、お若い方の考えは気づかされることが多いという自分の経験知もある。

以下については、そうしたことを踏まえ、では一緒にPMBOKあたりのことを勉強しなおしてみるのも良いのではないかと思い至ったのでそれで進める。

重ねて申し上げるがPMBOK警察をするつもりはないので。

実は、PMBOKウォーターフォール型に限ったものではないのです。

従来からウォーターフォール型のみを対象としていた訳ではなく、プロジェクトマネジメントが建設業や製造業において開発されてきたことに由来して、プロジェクト規模も期間も非常に大きく、基本的に後戻りが許されない為、単純にウォーターフォール型のプロジェクトマネジメント手法がマッチしていたと言えます。

引用 PMBOKでのアジャイルの位置付け|ウォーターフォールだけじゃない | PM NOTES

 

この段落を要約すると『PMBOKウォーターフォール型のプロジェクトマネジメント手法がマッチしていた』 にできるかと思う。

昨日のエントリに引用したがPMBOK 6rh edition及び5th editionを読む限り、記憶でいえば初版本の1996年版、2000年版、2004年版も含めてとなるが、ウォーターフォール型のプロジェクトマネジメントという考え方は記載されていない。

PMBOK 6th editionをご覧になっていただくとわかるが、ウォーターフォールPMBOKであることがわかり易く図式になっているので見ていただきたい。

 

プロジェクトライフサイクルがシステム開発であれば、システム開発手法に当たる。自分が、この図を見て理解し納得しているのは、PMBOKはプロセス群を介してシステム開発のプロジェクトライフサイクルをモニタリングし、コントロールしているだけに過ぎないことも昨日書いた。

 

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引用 PMBOK 6th edition

 

以上から、概念としてプロジェクトマネジメントとシステム開発手法は同じレベルにはないというのが自分の考え方である。ウォーターフォール型のプロジェクトマネジメントという捉え方とは、少し違いがあることがわかった。

 

しかし、インターネットが普及し、ビジネスにおけるIT活用が当たり前の時代に突入し、システム開発のニーズが高まり、案件数が爆発的に増えてきたことで、IT業界にプロジェクトマネジメントが入ってきて、従来の建設業や製造業でのプロジェクトマネジメント手法であるウォーターフォール型の手法をそのまま適用することになったのだと思います。

引用 同上

 

ところでPMIの設立はいつだろうかと調べると1969年なのだそうだ。もう少しあとかと思った。

 

PMIは1969年に設立された。PMBOKなどのプロジェクトマネジメントの標準の策定、PMPなどの資格認定などを行っている。
日本には、PMIの日本国内唯一の支部である「一般社団法人 PMI日本支部」(PMIJ)がある。1998年1月に「PMI東京支部」として設立されたが、2009年1月1日に現在の名称に変更した。
プロジェクトマネジメント協会 - Wikipedia

 

PMBOKは96年版が第1版である。こちらも調べてみるとそれより前にホワイトペパーが出ていたのだそうだ。

 

PMBOKガイドは、最初、1987年に米国PM学会によってホワイトペーパーとして出版された。その目的は、広く適用できるプロジェクトマネジメントの情報や実践方法の、文書化と標準化であった[2]。

引用 PMBOK - Wikipedia

 

ホワイトペパーから第1版が出るまで10年かかっている。それはPMBOKが建設業、プラント、テレコム、製薬開発など多くの業界のプラクティスを集め、汎用的に使えるようにするためにはそのくらいの時間がかかってもおかしくない。

なにぶん、当時は今のようなインターネットが存在しない(ダイヤルアップくらいか?)。

 

参考までに建設とエンジニアリング会社のプロジェクトマネジメント例を引用する。

 

プロジェクトマネジメントの手引き

 

www.jgc.com

 

話を戻して、引用したブログを読みながら前に調べたウォーターフォールの起源を思い出した。『DoD-‐2167A』で検索すると少し勉強になる。というか、なった。自分は。あと、参考になる論文があるのでこちらも見ていただきたい。

 

ウォーターフォールモデルの起源に関する考察

 

自分としては、IT業界がウォーターフォール型の『システム開発手法』を取り入れたのは、HWを米国から輸入してた経緯もあり、SW開発手法も同時に輸入した際に、『DoD-‐2167A』をベースに開発していた手法を持ち込んだのではないかと思っている。この辺りも元のブログの記事とは理解の違いがある。

 

元ブログの先もまだあるが、上述した2点の違いを感じたので先のツイートとなっている。ご理解いただければ幸いである。

 

 

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