10年続けられる技術テーマを持つということ

 カンファレンスや研究会の後に懇親会が開かれると基調講演された登壇者やゲストが招かれる。運営は時間枠の都合で質疑を切らざるを得ないので、その場で出来なかった質問や個人的なリレーションはそちらでと誘導し、懇親会も賑やかさをキャリーするように促す。

そういった登壇者の多くは、講演で取り上げたコンテンツや経験談の背景にある経歴は10年単位である。

そう、10年もの間、どういった巡り合わせで興味を持ったのかは講演者それぞれだろうが、10年もの間続け、その界隈で自分の考えを発信したり、わからないことを先人に尋ねているとそうした先人に目をつけられ発信を求められ、結果的にその分野で一定の認知をされることになる。

そういった方に懇親会で10年続けることについて伺うと、ほとんどの方が視線を上に伸ばしつつも、謙遜しながら、感慨深く様々な経験を語ってくれる。

先日もネットでは名前だけを認識していた(いや、以前にどこかでパネルディスカッション的なものをみたことがあるかもしれない…)方が基調講演で話される機会があった。

カンファレンス後の懇親会で名刺交換後、10年続けることについて話を聞くと『10年続けられるテーマに出会えて幸せだ』と話されていた。

講演を思い出すと、スライドには多くの情報があるが、10年続けてきた過程の中で、ただ、一方的に情報を得るばかりではなく、集めた情報を整理し、整理した情報から特性を見出し、仮説を立て、検証していく様が見えてくる。

その分野で10年続けられているエンジニアの方々は、10年もの間、研究をし続けているといってもいいのかもしれない。その研究の節々で声が掛かり、成果発表されることでそれが専門でない自分のような一兵卒のエンジニアの視界に入り込み、認知されるのだ。

10年続けられるテーマを見つけられること、それ自体が幸せだといっていたが、それを見つけられるかどうか、それもまたエンジニア自身が何に関心を持つかエンジニア自身に委ねられているのである。

あなたはエンジニアとして続けられる研究テーマをお持ちだろうか。

 

 

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