仕事の、時間の、使い方

これは悪いお手本のようなものかもしれないので、文面どおりにやっても同じように出来るかどうかは、それは貴方がこれまでどれだけ仕事を事細かくチェックされないだけの信頼を貯金してきたかに依るかもしれないし、自分のポジションと貴方のポジションの違いからかもしれないし、チームで働くメンバとの関係かもしれないので、それらの状況判断をしつつ、適宜、お試しください。

仕事8

 自分は、あまりかっこいい話ではないかもしれないが、時間があればあるだけ仕事に使ってしまう性格のようだ。新人の頃、ひとりプロジェクトで先輩エンジニアから

『ここまでしか進捗していないのに、もう1000時間使ったのか』

 と呆れられたことがある。周りの先輩が『まぁまぁ』と割って入ってくれたのでそのまま流れてしまったが、その場面が強く印象に残っている。

仕事8割は、ご存知のグーグルの仕事の仕方に由来する。自分のメンバには

『仕事は8割で終わらせて、残りの2割を自由に使って。考えることに使って』

と繰り返し言っているが、実は自分ができていない。言わないからね。自分ができていないことは。

ただ、実際には、マネージャ業があるので仕事8割どころではない。実稼働の6割か5割かもしれない。そのくらいのリソースで出来るようにはしている。

仕事に自分のリソースを100%突っ込まなくて済むようにするポイントは、

『仕事を終えられる見通しをつけられる程度に仕事ができるようになること』

という他ない。それができるようになるためには、仕事の道筋をつけ、段取りし、必要な関係者を手配し、揃えながら1つずつ仕事を片付ける。

そういった、仕事の流れを組み立てるとき、自分の実力と仕事の難易度なり物量なりを推し量れる力を身につけなければ、いつ終わるか見極められない。

このいつ終わるか見極められるようになれるかどうか、これがミソ。

仕事中の勉強

仕事の中でアルゴリズムを調べて実装したのは勉強として扱って良いのか。機能比較をするために調査してメリデメ表を作って製品知識をつけるのは勉強と扱って良いのか。

どちらも、仕事の中でやっているのでいわゆるOJTの扱いとすればいい。OJTで今仕事で必要だからWebで調べたり、本を読んだりする。

では、それ以外はどうなんだろう。

自分は、あまり仕事の時間の中で仕事で必要ではない別の技術や方法論を調べることにあまり関心がない。

自分のパイを広げるために本を読むとか、自分が興味をたまたま持ったキーワードを勉強するのはほとんど、自分のオフの時間である。

上述の理屈(メンバへ言っていること)から言えば、同じように自分も仕事のリソース割り当てを2−3割はそっちに振ったほうがいいのだ。

ふと気づいたが、普段から作業にはアウトプットがつきものだと思っているので、そうした思考がそうさせているのかもしれない。

チーム活動

前にもエントリで書いたが、週次のミーティングを決まったテーマで使った残りをメンバに開放している。開放とは、メンバが自主的にやりたいことをやっていいということだ。メンバ全員であるテーマについて調べてみようとか、もくもく会とかしたいと言えば、それで使ってもらう。自発的な活動の中での気になるところだけ口を挟むか、キーパーソンを後で呼んで、それを伝える。

コミュニケーション

気になることはとにかく、直接声を掛ける。メールやチャットは、リマインダーとして使う。

声を掛け、気になることを確かめ、頼みごとをお願いし、くだらない話をして席に戻る。

このコミュニケーションの中に管理という概念はない。

メンバの管理

基本的にしない。

成人した大人なんだから。

やりたいと言えば『承認』の意思表示をする。やりたいと言ってきたことが手続きを考えていないようだったら、アドバイスをする。『担当のAさんに確認してから、申請処理した方が手戻りないよ』など。

事務処理能力

平社員でも、マネージャでも事務処理能力が求められる。これは組織の中で生きて行く限り必要な能力だし、個人事業主であれば、さらに重要になる。

こうしたやらなければいけない仕事(これも立派な仕事である)を諦めて、さっさと片付ける。それも何度もやり直しをしなくていいように済ませる。

そのためには、事務処理の受け手と仲良くなっておく必要があるし、仲良く頼めるフレンドリーで下手に出て物事を進めるスキルが必要になる。

 

 

 

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