物理と人系が絡むところにイノベーションは潜んでいる

ザクっと読んでの第一印象は、物理と人系が絡むと必然と泥臭い、地味な調整を伴うのだということである。

あと、現場と物理で離れている場合は、監視(モニタリング)は必須である。

 

codezine.jp

 

全く新規の建屋にIoTのデバイスを据付しようとしても、工事の段取りや設計上の構造物に制約を受けるので、勝手な前提はおけない。

業務が絡めば、その業務にフィットしていないとズレて使えないと言われる。最悪は、撤収になってしまう。

 

こうしたことは、その現場で調整したエンジニアに蓄積されるので必然と属人化される。それを属人化しないようにするために労力とコストを使いナレッジを集めようとしても、現場や業務は現場や個社ごとに違うので期待するほど再利用されない。

 

AIやIoTにそうしたことは限らない。セキュリティも同じである。

なぜか。

それは、運用が現場に残るからである。言い換えれば、現物が現場に据付されるもの、運用が現場の判断で行われるものについては、現場から離れたサイトからは知ることもできないし、上がってくる情報も何十分の1にしかならない。

現場に対しセキュリティの往査をすると、ルールどおりに運用されていないケースに遭遇するだろう。それは、ガチガチにツールで縛っていたとしても、運用するユーザはやりたいことを工夫して実現してしまうためである。

言い方を変えれば、そんな使い方は想定していなかった、というケースを現場で実証してしまう。

それを検知するためにモニタリングを必要とするのである。

 

例えば、デバイスが起動するたびにその回数を記録しておくことで、その数値を確認して異常な再起動回数があることを確認できれば、電力の供給不足を疑うなど、類推する材料とすることができる。データが多ければ多いほど、多角的な予測につなげられるのである。

 引用 同上

 

エンジニアになりたての頃に携わったシステムがよく落ちるのでソフトウェアが疑われた。ソフトウェアが疑われたというよりは、自分が作ったからバグがあるのだろうと疑われたのかもしれない。当時の自分が作ったソフトウェアなら疑われてもやむなしではある。

一緒に仕事をしていたメーカの担当者やHWの担当者は知らないところで色々と調査をしてくれたのだろう。結論は、プロダクトを据え付けた現場でブレーカが落ちていたことを突き止めた(多分にヒヤリングして気づいたのではないか)というか、そういう結論になった。

それ以来、ソフトウェアを疑われることはなくなったので、そういうことで落ち着いたのだろう。

こうした、物理と人系が絡むと必然と泥臭い、地味な調整を伴う作業は地味にリソースを占有するし、安定するまで時間を必要とする。それに、案件毎の結構なコストをしめる。そこがネックとなり、成長のスピードを抑制する。

まあ、そこにまたイノベーションが生まれる機会があるのだが。