あなたの開発現場は大丈夫?

次の会話の中から適切ではない箇所を指摘しなさい。なお、A社とB社には請負契約を締結している前提とする。

A社PM『bさん、設計工程が押してしまいましたが、開発工程は納期を変えずに期間を短縮して対応してください。それで、機能Xはcさん、機能Yはdさんでお願いします』

B社b氏『厳しですが頑張ります。担当の件は了解しました』

指摘例

  •  設計工程が押したにも関わらず、開発工程の工期を実質短縮(押されたままで納期の見直しを行なっていない)している。

 

 

b氏の発言では、上記の指摘であるプロジェクトの開発スケジュールの妥当性を評価したかどうかはとても怪しい。よって、プロジェクトの進め方が精神論の人海戦術で行われ、最悪デスマが待っているプロジェクトに思えてしまう。

この指摘ついては、表現の違いはあるとしても、誰もが類似した回答をできたのではないだろうか。

 

実はもう1つ指摘できなければならない。

 

回答例 請負契約であるにも関わらず、A社PMがB社の社員の配置の決定を行なっている。

 

 なぜA社PMがB社の社員の仕事の割り振りを行なってはいけないのか。それは、法律違反をしているからである。

 

ヒントは『請負契約』である。

 

受託側であるB社は、請負事業主として『請け負った業務を自己の業務として相手方から独立して処理すること』が必要となる。

 

ではこれを放置していると何が起きるか。

厚生労働省都道府県労働局から臨検され、黒判定(偽装請負)されると指導→処分→送検されるのである。もちろん、プレスリリースもされる。

 

派遣元事業主に対する労働者派遣事業停止命令及び労働者派遣事業改善命令

 

 出題の会話は日常の現場で行われていないだろうか。今日はよく観察してみよう。

 

 

システムを「外注」するときに読む本

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